小説置き場2

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妖狼、太郎

イメージ 1

あやかし姫の登場妖、太郎の絵です^^

読んで頂いている人は、「ちがーう(><)ノ」

という方もいるかもしれませんが、おいらの頭の中ではこんな感じ^^

さて、この絵の多々ある問題点の中で一番のものは、

「どっちが金色の瞳で、どっちが銀色の瞳だっけ?」

ということ

一応作者であるはずのおいらが、知らないし

どこかに、書いてましたっけ?

書いていて、間違ってたら直して合わせておこうっと

この絵に文を

だって、絵は修正めんどいし^^

そんじゃあ、ここからおまけ話

話は、~紅い月夜に(1・2)~より数ヶ月後、といったところでしょうかね

それでは!

あやかし姫番外編~夜の呟き~
 
 月。
 
 またたく星を従えて、闇夜に光る。
 
 その月の光に、その純白の体毛を輝かせるもの。
 
 古寺の庭で、その牛ほどもある大きな躯を丸ませて。
 
 薄目を、あけていた。
 
 金銀妖瞳。
 
 妖狼、太郎である。
  
 いつもと違い、一匹ではない。
 
 二匹と一人、である。
 
 一匹は黒之助。
 
 古寺に住む烏天狗
 
 烏の姿で、ちょこんと妖狼の隣に。
 
 一人は彩花。
 
 妖では、ない。
 
 妖狼の雪のように白い尾にくるまり、すーすー寝息をたてている。
 
 まだ幼い、古寺の小華。
 
 いつもは、彩花は銀狐葉子と一緒に自分の部屋で寝ていて。
 
 たまに、眠れないと部屋を抜け出す。
 
 葉子を、おいて。
 
 そして、太郎と黒之助に会いに行く。
 
 お話を聞かせて、そうせがむのだ。
 
 そんなとき二匹はいつも起きていた。
 
 今宵も、そうであった。
 
 二人の話を、楽しそうに、本当に楽しそうに聴く。
 
 二人の話がしまいになるころ、彩花はこっくりこっくりうつらうつらとし始める。
 
 二人は静かに笑いあい、もう、寝ようかと訊く。
 
 彩花は、「うん」という。
 
 頭領さまや葉子さんやお寺のみんなを起こしたらいけないから、ここで寝ると。
 
 布団代わりになるのは、いつも太郎の役目であった。

「大きく、なった」

 ほうっと、太郎が呟く。

 呟きは、すぐに闇に溶けて消えて。

 また、次の呟きを闇に放つ。

「ちょっと前まで、赤子だったのに……」

 瞼を、完全に閉じた。

「どんどん、この子は大きくなる。大きくなって大きくなって……そのとき、俺はどうしてるんだろ
う?」

 己の身は、妖の身。

 時の流れが、この子とは違う。

 それは、この寺の住人全てにいえること。

「本当に、ねえ……」

 まだ、先の話。

 近しい、先の話。

 そう、思っている。

 そう、思いたかった。

 時は、流れる。

 止まりは、しない。

 戻りは、しない。

 わかっている。

 わかりきっている。

 それは、あの日のことでよく身に染みている。

 それでも、この穏やかな時が、未来永劫流れればいい。

 そう願うときが、幾度となくある。

「よそう、か」

 寝ようと、思った。

 明日、朝っぱらから葉子の小言を聞かないといけない。

「……あったかい……」

 子供の声。ぎょっ、っとなる。

 起きていたのか? そう思ったのだ。

 しばらく、耳を澄ます。

 寝息が聞こえる。

 どうやら、寝言のようで。

「……いい子に、なりな」

 目を三日月にし、くっと笑い、そう、呟いた。
 
 それが、今宵の妖狼の最後の言の葉であった。

~おしまい~

 この記事、操作ミスで二回消えてる^^;

 ひどい><