小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

愉快な呂布一家・外伝

呂布一家番外編~久々なのでアホな話でした~

E紹「じゃ、まずは僕! 弟仁義の会!(*^_^*)」 S操「兄弟仁義じゃないのか……どれどれ。巻頭特集、魏延! 孫権! センターカラーはいつもの袁術でお送りします……うは、張飛ムサイ。つうか、これ、お前の」 E紹「~♪」 紀霊「な、なんだこれは、この物体は……

呂布一家番外編~久々なのにアホな話~

S操「というわけでだ(`・ω・´)」 E紹「これより、年一回のファンクラブ会合始めるよー\(゜∀゜)/」 S策「おう!(`・ω・´)」 その他大勢「おお!(`・ω・´)!(`・ω・´)!(`・ω・´)」 S操「顔文字かぁ、懐かしいのぉo(´□`o)」 E紹「昔はこんな風に…

益州騒乱(6)~またまた三人~

城に行くのは、久し振りであった。 大通り。徒歩である。三人とも、旅装束であった。 まだ、城下は喪に服している。 無表情に、法正はその様子を見やった。 己の主であった男。 死んだところで、何の感慨も湧かなかった。 自分の意見を聞き入れず、侮蔑の言…

益州騒乱(5)~二人破れて、二人は一緒に~

「申し訳ありません、散らかっていて……」 「い、いやぁ」 あははと、張飛は落ち着きなく視線を彷徨わせた。 散らかっている、なんてもんじゃない。盗人が入ったとかそういうレベルじゃない。 「ま、まあ、あれだ。おお」 「これで、趙雲を叱れなくなった……」…

袁家外伝~張郃の憂鬱~

強面というのだろうか。渋みがかっているというのだろうか。 とにかくそんな「怖い」風貌。 広場の一角。 男が佇みしきりに溜息をついているその場所は、子供達の喧騒で賑やかななか、逆しまに寂しげであった。 そんなこと、男にはもう慣れっこである。 こう…

益州騒乱(4)~趙雲、徐庶に槍を向け、張飛、陳到を心配す~

原野に張られた陣幕。暗く、沈んでいた。 主達に、いつもの活気がないのだ。 陳到は部屋に籠もり、張飛はその戸の前でそわそわ。 趙雲も、槍を片手に三角座りで黙りこくって。 一人、徐庶だけが、気にするでなく呑気に酒を飲んでいた。 星空をつまみに、ほろ…

益州騒乱(3)~三人~

「親方様、おっ死んじまったな」 さいが転がる音。 狭い部屋に、二人の男と一人の女がいた。 また、さいころが転がる。器の中で、音を立てる。 「どうするよ?」 どこか賭博師のような空気を纏った男が、言った。口調に、皮肉めいたものが混じっていた。 「…

益州騒乱(2)~師の一言~

「劉備殿が、こちらにくるぞ」 「大兄貴が?」 首を傾げた。劉備と会えるのは嬉しかったが、理由がなかった。 荊州北部、劉表の居城で、ひーひー泣きながら孔明と政務を取り仕切っているはずだ。 「……劉焉が、死んだ」 「何だと?」 劉焉は、荊州の隣、益州…

益州騒乱(1)~張飛軍団~

巨魁魁偉な男。 蛇をかたどる鋼の矛、蛇矛を、手足の一部のように自在に振り回していた。 触れれば、人の身など一瞬で消し飛んでしまいそうな大嵐。 少年が、その旋風を身軽にかいくぐる。 手には槍。 二人とも、気に、満ち溢れていた。 遠くで、兵士が囃し…

紀霊伝ノ6~白装束~

「というわけで、袁紹様が、お二方に次の会議にお出になるようにと」 「……」 「……」 黙って、顔を見合わす男と女。 袁術。 紀霊。 袁紹の命を伝えた顔良は、少々汗を掻いていた。 それがまた、紀霊の不安を誘う。 袁術は、落ち着いたものだった。 覚悟、して…

紀霊伝ノ5~紀霊の憂鬱Ⅱ~

狭くはない。 むしろ、広い部屋。 室内は、暖色系の色で整えられていた。 ベッド。 椅子。 部屋の主が好む蜂蜜が、ベッドから手の届く場所に置かれていた。 右目に刀傷を持つ「女」が、一人、椅子に座っていた。 うつら、 うつら。 女は、眠っているようであ…

長江、燃える(終)

長江沿いの小さな小屋。 切り立った崖。 大河を挟んで、その小屋からはよく見えた。 邪魔する物は、なにもなかった。 煙が、立ち上っている。 まだ、新しい。 客が、訪れた。 翁。 大きな躯をしていた。気を、漲らせている。 供が二人。両者とも、隙がない。…

長江、燃える(11)

黄祖の船。 待ち焦がれた。 今こそ、父の仇を討つ。 思わぬ邪魔が入ったが、関係ない。 黄祖の旗艦の周りには、あまり船の姿はない。 それどころか、単騎になるように動き始めている。 好機だと思った。 孫策の船は、軍で一番速い船であった。 今ならば一気…

長江、燃える(10)

「孫策様! 甘寧、黄忠が戦場に!」 「黄祖副官蘇飛参戦! 文聘の姿も確認しました!」 次々に注進が入る。部下の動きが慌ただしくなる。 戦が、始まったのだ。 「ええい、文聘だと! どうしてここにいるのだ!」 呉景が声を荒げる。楽観していたこの戦。 思…

長江、燃える(9)

荊州――劉表が居城、襄陽城。 その一室、玉座の間。しんと、静まりかえっていた。 居並ぶ幕僚は音を立てれず。 劉備が、ぐるりとひと睨みし、剣についた血を少し落とした。 劉表配下、蔡瑁。 劉備の足下に倒れている。既に息はない。 「じゃあ、ここにいる人…

長江、燃える(8)

「あの二人、そんなに優秀なのか?」 夜、蝋燭の明かりが赤々と。 張飛、陳到、趙雲、徐庶。 四人が同じ部屋で酒盛りをしている。といっても、さっきから酒を飲んでいるのは張飛と徐庶だけ。 趙雲はお子様、陳到は……人前で食事を取らないのだ。 それでも、進…

長江、燃える(7)

とぼとぼと、馬を歩かせる。 決して、急いてはいない。 馬上に六人。 前に二人、後ろに四人。 「そうか、ガキんちょ。元気にしてたのか」 「ガキんちょじゃないです、趙雲です……」 「そうか、趙雲って名前か、ガキんちょ」 「あの、ですね……」 趙雲が困った…

長江、燃える(6)

なんだか眠れないなーと夜の闇の中、思う。 勘が、うずいている。 今日辺り、何か変化が訪れる。そう、囁いている。 良きにしよ、悪しきにしよ、悪くはないと劉備は思った。 「にしても……眠いんですけど」 寝不足なのに第六感が蠢いて眠れない。本当に我なが…

長江、燃える(5)

祖茂とは、長く長く一緒にいた。 師、であった。 父が死んでから、家族以外で最も長く自分と一緒にいた。 静かな男であった。 よく、袁術の下で鬱屈としていた自分をたしなめた。 その言い方は、水のように、炎のように、掴み所がなかった。腹が立つ事もあっ…

紀霊伝ノ4~紀霊の憂鬱~

大きな、風呂だった。 どこの有名旅館なのかと毎度のことながら半ば呆れて感心する。 湯船から湯をすくい、一浴びしてから、身体を洗う。 ふと、その手をとめ、鏡に映る自分の顔をぼおっと眺めた。 鏡に映る右目を見る。 鏡に映る右目の刀傷を、そっとなぞっ…

長江、燃える(4)

あの方は、笑っておられた。 それを、眩しい想いで見上げていた。 自然と、自分の口にも微笑みが零れていた。 「なあ、祖茂」 「殿、なんでしょうか?」 「孫策、よく、育ってくれたなぁ」 「お父上に、殿に、似られましたな」 孫策の、父。 それは、かの江…

長江、燃える(3)

孫策軍先陣を勤める猛将、凌操。船先に立っていた。 傍らに立つ己の息子を優しく眺めると、すうっと話しかけた。 「震えているのか?」 「い、いや!」 違うと言った。 それを聞いて、凌操の兵が笑う。 凌操が一子、凌統が、笑った兵達を睨む。くわばらくわ…

長江、燃える(2)

「皆の衆、やっと、ここまできた。やっと、ここまできた。よく、ここまでついてきてくれた」 孫策が、諸将を集めて言った。 「本当、苦労かけたなぁ」 「わ、若様!」 「もったいないお言葉でございます!」 「うおぉぉぉ!!!」 感極まり、大泣きする黄蓋…

長江、燃える(1)

長江。 その大河を埋める大船団。 その旗にそびえるは「孫」の壱文字。 小覇王、孫策。 袁術の旧領土を制圧した彼は、ついに憎き敵を討ち取ろうと。 荊州牧・劉表が配下、「黄祖」 その名前は、孫家に深い深い恨みを刻んでいる。 先の孫家の主。 江東の虎と…

紀霊伝ノ3

「おい、劉備殿! どうして張飛はとどめを刺さないのだ!?」 張飛が、蛇矛を突きつけて、そこで止まっている。何か、会話をしているような。 劉備は、答えない。 車冑を見もしなかった。 「か、関羽殿!」 関羽も、答えない。 「関さん、来たみたいだね」 …

紀霊伝ノ2

「はん、こんなところで敗残の兵の相手とはねえ」 劉備が、いった。 傍らには義兄弟の関羽、張飛。 そして、 「劉備殿、敗軍とはいえ、侮れませんぞ」 言ったのは車冑。 中年の武将。曹操の兵を預かっていた。叩き上げ、である。 劉備と車冑。 二人の関係は…

紀霊伝ノ1

あと、もう少し、もう少しで、徐州を抜けられる…… 総勢一万。 よく、付いてきてくれた。 「紀霊様、あと、少しですね!」 「うん」 心が、弾んだ。 南方に覇を唱えた名門袁家のもう一人の主。 袁術。 曹操、呂布、孫策に敗れ、その力のほとんどを失った。 十…

趙雲伝2

趙雲:劉備配下。子供だけど馬術の達人! 陳到:劉備配下。神出鬼没の謎の人。覆面をいつもしており、顔を見た人は・・・・・・ 紀霊:袁術軍筆頭武将! 袁術:名門袁家のもう一人の主! 徐州攻めに失敗しました…… 「陳到お姉さん……一体、どこへ……あの光は?…

趙雲伝

趙雲:劉備配下。子供だけど馬術の達人! 陳到:劉備配下。神出鬼没の謎の人。覆面をいつもしており、顔を見た人は・・・・・・ 紀霊:袁術軍筆頭武将! 袁術:名門袁家のもう一人の主! 徐州攻めに失敗しました…… 「いいのか? 見回りなど。お前の右足はま…

袁術伝

風にゆたう髪を掻き上げる 眼前の十万を越える兵に胸が躍る 「袁術」 四世三公の名門・袁家のもう一人の主は、戦を前に心を高ぶらせていた 袁術は目をつぶり、空を見上げた 「……」 袁術にとって、徐州攻めは久し振りの戦である 今まで戦をせずに、少しずつ力…