小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

錦、対、戦姫(2)

ふぁーっとあくびを一つ漏らす。 もう一つおまけ。 もう一つもう一つ。 呂布軍第二武将の張遼は、一人のんびり調練を眺めていた。 「おい」 「うん、臧覇?」 振り向くと、ぷにっとほっぺたをつつかれた。 ぷにぷに。 「なにやってるのー」 拒むわけでなく、…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(9)~

「えっと……なにを、しているのですか?」 「杖作り」 しゃっ、 しゃっ、 しゃっ、 と、木を、研いでいく。器用に、器用に、蟲の、脚で。 息を吹きかけると、木屑がさあっと、消えていった。 「あの……どうして?」 「お前のため」 黒之丞が、言った。 女は、…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(8)~

「美味しいです」 女が、ほんのりと微笑を浮かべながら言った。 黙って、俯いて、その言葉を聞く。 黒之丞が一本。 女が二本。 二人で、平らげた。 「本当に、美味しかったです……」 黒之丞が、少し、顔をあげた。 女は、何か言いたげな顔をしていた。 迷って…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(7)~

どすっと鈍い音がした。 一拍おいて、また、鈍い音がする。 男が馬乗りになって、拳を打ち付けていた。 頬に、男のものでない血が飛んだ。 にっと、嗤う。 長い舌で、血を、舐め捕った。 掴みかかった男の鼻に、拳を叩き込む。 男が、膝をついた。鮮血をたら…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(6)~

日の出を眺めるのは、久し振りであった。 朝は寝ていることの方が多いのだ。 今日は違った。 あの後、一睡もしていない。 家の中を覗く。 女は、眠っているようであった。横になっている。 琵琶は、なかった。 ふと、虫の気配を感じた。 長い太い百足が、家…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(5)~

「舞台でこの琵琶を弾いて聞かせて。それで、暮らしを立てておりました」 それなりに売れていたと、女は自嘲するように笑った。 「蓄えもありました。大きく使うことなど、ありませんから」 女の言葉を待つ。 こき、こきっと、指を鳴らす。 「住み慣れた長屋…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(4)~

「……ばれていたのか」 顔色を変えずに言う。 やはりと、女が頷く。 「こんな闇の中、明かりを持たずに歩けるのは、人ではないかと」 「どうして、明かりを持っていないとわかった?」 確かに、明かりは、面倒なので持っていなかった。 「煙の臭いがしません…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(3)~

「今、戻った」 男が、がたがたの戸をあけ、家の入り口に。 女は、床に身を横たえていた。 ゆっくりと身を起こし、大事そうに琵琶を抱えると、 「早かったのですね」 そう、言った。 「鍋はあるか」 多分と言うと、また、女は台所の棚を指さした。 男は台所…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(2)~

遠くは、なさそうであった。 人里はまだ少し先にある。 道に戻る。月を背に、歩く。 妖か―― 人か―― 明かりは見えなかった。 はて? 首を傾げる。 音は、近づいてきていた。 もう、すぐそこのはずだ。 「……妖、か」 そう、思った。 廃れた、家。 そこから、音…

あやかし姫番外編~やつあしとびわ(1)~

三日月が嗤う夜の道。 草叢の影で蟲が鳴く。 男が一人、人なき道を、灯りも持たずに歩いていた。 長い手。 右目を覆う長い髪。 隠されていない左目は丸く大きく。 男が近づくと、虫達は、鳴くのをやめる。 まるで、じっと息を潜めるように。 ぼろぼろの衣を…

銀杏

というわけで、この変なブツは銀杏の木です^^ お昼間、親にちょっくら近場のお寺やらなんやらに連れられまして その戦利品です^^ そういえば、深夜パソコンに触るなって言われました ばれてたのか…… ヤバイ;-;

錦、対、戦姫(1)

馬。 騎馬軍。 二万の軍。 中央の戦なら、そう、多いということはないだろう。 だが、その二万の兵が、今の錦馬超の全て、であった。 涼州に現れた漆黒の戦姫、呂布。 その勢いは、とどまるところを知らなかった。 最初は十数人だった。それも、赤子を入れて…

B型

えっと、おいらはB型だったらしい 血液検査ってやつですね。初めて知りました あと、ちょっと太りすぎ;-; ウワーン

実家……

えっと、ただ今実家に帰ってきてるわけですが…… 非常に、やりにくいです^^; うーん、夜しかパソコン触れないからなー 投稿用、全然進んでません;-; 話にも悩んでおりまして ……進まないので、違うの書いてみたり^^ 何やってるんだか……アハハハ いやね…

紀霊伝ノ6~白装束~

「というわけで、袁紹様が、お二方に次の会議にお出になるようにと」 「……」 「……」 黙って、顔を見合わす男と女。 袁術。 紀霊。 袁紹の命を伝えた顔良は、少々汗を掻いていた。 それがまた、紀霊の不安を誘う。 袁術は、落ち着いたものだった。 覚悟、して…

あやかし姫~転幻(後)~

「やっぱり、変です。ここは、いつもの古寺じゃないです」 「そうかい? いや、気のせいだよ」 妖が二人を眺めている。その視線に気がつくと、姫様は小さな手を振った。 手を振ってから、気味悪そうに葉子の顔を見る。 じっくりと見て、「葉子さんですよね………

あやかし姫~転幻(前)~

「ん……」 二人の、部屋。 銀狐が、目を、開けた。 少し探ってみる。自分しか、いない。 「また……」 くらくらがんがんする頭を押さえる。 飲み過ぎ。 はめ、外しちゃった。 「姫様……」 一応確認、呼んでみる。 返事はなくて。 上体を起こす。どうして目の前に…

愉快な呂布一家~再起(終)~

「馬岱さん! 頭を上げて下さい!」 「頼む」 額を、床に擦り付ける。 「え、あう」 そんなこと、急に言われても、と。 「無理、か……そうだな……」 ぺたんと腰を下ろすと、憂いを帯びた子犬のような瞳で魏延を見る。 顔を真っ赤に染めた魏延は、 「じゃ、じゃ…

ちょろっと

応募用にちょこちょこ書いてみる 去年は結局、完成しなかったからなー 今年は一回ぐらい^^; まだ全然進んでないけど、とりあえずやってみようか ガンバレー

愉快な呂布一家~再起(6)~

「今日は、一体どうしたんだ?」 そう、馬岱が言った。 自分に与えられた部屋。 今日は、外に出る事を許されなかった。 城の空気が、変わった。 それは、部屋の中でじっとしていて、感じる事が出来た。 「呂布様が……馬岱さんと、お話したいって」 魏延が、遠…

あやかし姫~妖の子供~

「彩花さま!」 「朱桜ちゃん」 ていっと、鬼の娘が姫様に跳んだ。 姫様、おおっと、幼子の身体を支えようと。 無理であった。 銀狐が笑いながら倒れかけた姫様の背を支えた。 「朱桜ちゃん……」 「ごめんなさいです……」 「いいよ。朱桜ちゃん、早かったね」 …

これから一年……

長い事になりそうです…… どっかに応募でもしようかな…… どこか小説の投稿で良いところないですかね?^^;

あやかし姫~桃の踊り手~

踊る、影。 少女が、静かに、舞っていた。 柔らかな光が、部屋を薄く照らしている。 女が、手拍子を。 それに合わせて、少女が、舞う。 ひらひらと、扇が踊る。 決して、上手、とは言えない舞だった。 所々、動きがぎこちなくなる。 でも……。 想いが、込めら…

2月分

ただいま実家に滞在でございます、はい^^; うーん、色々と不便でございますなー 今日で月が変わったので、恒例(?)の執筆記録を(こう書くと、なんだか凄そう……) 2月は、 「愉快な呂布一家」 がだいたーい原稿用紙30枚分 「あやかし姫」がだいたー…