小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

小説、更新停止

暴龍――案ノ1

最悪の厄災 最強の狂気 最後の……触れるべからざるもの 百五十年前ウルスに打ち倒されるまで、ただただ狂喜に身を任せて己の欲するままに破滅を生み出した しかし、その最期の姿はあまりに無惨な姿であった 時は移る 五年前、暴龍が朽ち果てた場所で、ある子…

一つ目巨人――スカルガン――

巨体。 ウルスの国の一つ目巨人――サイクロプス――の長にして国全体の巨人族をまとめる。 大きいのでウルスの居城には住んでいない。 心優しく穏やか。 王国の幹部であり会議にもきちんと出席。 そのときは円卓の間の窓から一つ目を覗かせる(部屋に入らない)…

闇伯爵――エリック――

黒き頭巾。白き肌。 ウルスに仕え……ているわけではないが城に勝手に住んでいる魔導士。 性格は暗め。 高貴なる闇の住人――バンパイア―― ではなく獣人が一種、コウモリ族。 [好き] 日向ぼっこ(肌が弱いので日傘必須) 睡眠(天井にぶら下がって) ぼーっとす…

黒妖精――エルザ――

銀髪、浅黒い肌。 ウルスともっともつき合いが長いダークエルフの族長。 性格は気っぷが良い姉御肌。 広大な大陸の中で、ダークエルフが集団で生活しているのはウルスの国だけである。 妖精――特に白妖精――が中心種族となる聖妖精王ニーナの国とは彼女達は仲…

邪眼の魔王――ウルス――

大陸の南に存在する広大な平野を治める王。 金色の髪、双角。 蒼色の右目、紅色の左目。 百五十年より前、今現在ウルスの王国がある平野には住むものが少なかった。 荒れ狂うもの―暴龍―が平野に陣取り、移住してきたものを度々襲ったからである。 せいぜい、…

第二話の2

「もしも~し」 十兵衛が庭でたむろしている連中に話しかける。 「誰だ!」 「いや、怪しい者じゃないですよ」 「怪しい!」 十兵衛はどっちも怪しいのだろうな、と苦笑いする。なるほど、格好は忍びのようだが皆背が低い。声も子供のようだ。 「お前ら、伊…

第二話の1

「う~、ちょっと寒い」 「そうですね」 「早く終わらせたいよ」 「うんうん」 十兵衛一行は、将軍家光の命によりボロ屋敷にいた。 家光の手紙には、人の住んでいないはずのある屋敷に最近妙なことがおこるので、調べてほしいというものだった。具体的には、…

こばなしの2

男がせんべいをぽりぽり食べている。その前に座る男もときおりくいっと眼鏡の位置を直しながら、同 じようにせんべいをぽりぽり食べていた。冷たい感じのする男だった。長髪をそのまま下ろしており、ま だ若い。理知的で学者のような風貌。 十兵衛は朝から江…

こばなしの1

「え~と、頼まれたものは・・・・・・」 おせいが商店街をとぼとぼ歩いていた。眠いのか、しきりに顔をこすっている。 道行く男達がおせいの後ろ姿を鼻の下を伸ばして振り返る。おせいはそれだけの美貌を持っていたし努 力もしていた。十兵衛の収入のなかで…

第一話の3

別れは突然やってくるもの。 妖の森で楽しく遊ぶ毎日にも終わりの日が来た。 十兵衛が江戸に行くことになったのだ。 江戸に行き、次期将軍候補である竹千代に仕えよ。それは十兵衛が父宗矩が、竹千代派につくという意思表示。重要な「任務」といってもいいだ…

第一話の2

ときは十兵衛がまだ子供のころに遡る。十兵衛には生まれつき「目」が備わっていた。不思議のものを見ることができる目。人に稀に備わるというその目で、十兵衛は柳生の里の森に住む妖を見ることが出来たのだった。 珍しく森に足を踏み入れた子供を驚かそうと…

第一話の1

「十さん、人が来ましたよ」 女が部屋の端に寝転がっている男に話しかける。男は女に背を向け、壁を向くように転がった。 「十兵衛様起きて下さいまし。もうお昼でございますよ」 「そうですよ十兵衛様。お天道様があんなに高く昇ってますよ」 女の両隣に座…

狼風奇譚~第10話~

「ほう、誰か大物が来たと思ったらあなたでしたか」 係の者が言った。後ろを見ると、まだ列は左右に分かれたままだった。 「この子の登録を・・・」 係の者が風華のほうを見る。 「なかなか優秀そうなお弟子さんで」 そういって、笑った。 「いえ、そんなこ…

狼風奇譚~第9話~旅行者編

「もうそろそろでしょうか?」 「ああ・・・」 風華と白狼を乗せた大牙は順調に役目を終えつつある。巨大な山が、見えてきた。黒い点が、飛んでいる。山は、岩山だった。木などない、岩でできていた。 大牙が降下を始める。目的地に着いたのだ。 「何も、な…

狼風奇譚~第9話~居残り編

「少し、身体を動かすか」 「いい考えね」 お茶を飲んで談笑していた二人が、こちらをむく。いやな予感がする。 「白狼大師の弟子の腕前を見てみたいしな」 庭に無理矢理出され、練習用の剣を持たされた。瑶殿と空彩殿も剣を持っている。 道三殿も剣を持たさ…

狼風奇譚~第8話~

「騎獣の提供感謝する、空彩殿・・・」 「本当に感謝しているのか?」 「本当だ・・・」 「ならいいがな」 「・・・」 「白狼様」 「なんだ・・・」 気になることが、あった。 「神星派の会合場所まで、どのぐらいかかるのですか?」 何も、聞いていない。準…

狼風奇譚~第3話~

間違って消してしまったので再アップ、しかしブログの調子ほんと悪いね~ イタイ、イタイ、イタイ 黒い影が木々の間を駆けていく。 イタイ、イタイ、イタイ、イタイ どす黒い液体を辺りにまき散らしながら。 オレハナゼカケテイル?ワカラナイ。ダレニヤラレ…

狼風奇譚~第7話~

まぶしい・・・ここは・・・私はどうなっているのだ・・・ 「姉さま!」 「小・・・狼?」 「よかっ・・・た」 女の人が部屋の入り口に姿をみせた。 「風華ちゃん!」 「瑶・・・殿?」 「目を覚ましたのね。今、白狼殿と道三を呼んでくるから」 瑶殿が、走…

狼風奇譚~第6話~

少女の刀が、獅子を斬る。しかし、獅子は気にとめていないようだった。 よける。斬る。よける。斬る。その、繰り返しだった。体力が、無くなってきていた。刀の光も、勢いをなくしつつあった。 「ここで、死ぬのか」 また、獅子が突進してきた。よけようとし…

狼風奇譚~第5話~

森に入って三十分ほどであろうか。何も変わったことはなかった。やはり単なる噂話、そう弟は思っているだろう。風華は、弟のほうを見ないようにしながらそのようなことを考えていた。 「姉さま」 「なんだ」 「そろそろ、帰りませんか?大師達も心配している…

狼風奇譚~第4話~

「最近、暇だな」 「ああ・・・」 丘の上の家の一室。道三と白狼はいすに座ってぼんやりしていた。 「修行をつけていたほうがよかったんじゃないのか」 「ああ・・・」 「本当にそう思っているのか」 「ああ・・・」 やれやれ、そう道三が頭を振った。 不意…

狼風奇譚~第2話~

「風華、入ります」 少女が部屋に入る。部屋には机があり、食事が用意してある。湯気を、立てていた。 机の奥に道三とは別の男がいた。20代後半であろうか。無精ひげをはやし、長髪を不作法に頭の後ろで束ねていた。どちらかというと美男子に属するであろ…

狼風奇譚~第1話~

丘のうえに家がある。 館、というには幾分小さめ。しかし、丘の周りを取り囲むように、ポツポツと点在する家よりかは幾分大きめである。 家の庭に、人がいた。一人は少年。もう一人は、少年より年長に見える少女。眼をつむり、二人とも座っていた。 「姉さま…