小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

あやかし姫~猫(3)~

「お主は、検非違使が怖くないのか?」 「私が何かを恐れるように見えるか?」 「……否でござるな」 買い被らないでくれと、なずなは言った。 「綱姫は怖い。あとは、金時だな。お前も知っている通り、相手にするのが面倒だ。しかし、検非違使全体を見回せば…

あやかし姫~猫(2)~

沙羅の思考は、目の前の情景についていくことが出来なかった。 化粧咲きの山桜を月心と一緒に見に行った帰りである。 月心の知人と思しき男が現れ、刀を突き付けられた。 妖怪だと見抜かれているらしい。 滅すると言っている。腹の底が煮え立つような殺気を…

あやかし姫猫2試作

※修正前のお話、試案です。 沙羅の思考は、目の前の情景についていくことが出来なかった。 月心と行動を共にしていた。 目の前に、月心の知人らしき男が現れた。 そして刀を突き付けられている。 妖怪だと、見抜かれているらしい。 そして、滅すると言ってい…

あやかし姫~猫(1)~

猫が鳴いている。 物悲しい響きである。 姫様は、宇嘉の手を握りながら、その様を眺めていた。 周囲は薄暗い闇で包まれており、二人と猫の身体だけが仄かな光を帯びている。 闇に慣れてきたのか、品の良い調度品が目に入った。 見覚えのない場所だが、吟味さ…

近況

そんな近況。 そうそう。 三十路になりました。