学園あやかし姫の四!
朱桜「彩花様……」
火羅「彩花さん……」
姫様「ど、どうしたの、二人とも? そんなに深刻な顔をして」
朱桜「そろそろ、決めてほしいのですよ」
火羅「このままじゃあ、私達、お互いの存在をかけた争いをするわ。どちらかが消えるまで、殺し合いをやるわ」
姫様「そ、それはまた、大事ですね……わ、私が何を決めればよいのですか?」
二人は、確かめるように、顔を見合わせた。
朱桜「どちらが、好きですか?」
火羅「どっちが、好き?」
姫様「え? ……二人とも、大好きだよ。朱桜ちゃんも火羅さんも、大切だよ」
朱桜「それじゃあ、駄目なのです!」
火羅「駄目よ!」
姫様「え? え?」
朱桜「そうですね。彩花様は太郎さんに入れ込んでるから、わからなかったのかもしれません」
火羅「身近に、貴方を想う、恋する乙女がいることを」
朱桜「火羅さんが乙女(ププ) 乙女という年齢ですか? 私、聞きましたよ。父上様とそう変わらない年齢だと。もう、ウン百年も生きているのですよ。ちょっと見苦しいのです(プププ)」
火羅「小娘ぇぇぇ(ギリギリギリ)」
彩花「あ、あああ。け、喧嘩しないで! それに、そんなこと言ったら、鈴鹿御前様がブチギレちゃうから!」
朱桜「ごめんなさいです」
火羅「ふふ、言葉には気をつけるのね」
朱桜「ええ、ええ、本当のことをそのまま言うのは止めておきます。それで、どちらを?」
火羅「この!」
彩花「そんなこと突然言われても……」
朱桜「私を選ぶと、もれなくお父上様や叔父上様が召使いとしてついてきます。オプションサービスなのです♪」
彩花「い、いらない……」
朱桜「あうー」
火羅「私は、身も心も貴方に捧げる。朝も昼も、もちろん夜もばっちりよ! ちんまいのとは違うわ」
彩花「ドッペル姫様の相手して下さい」
火羅「あうー」
朱桜「ちんまいのとは何ですか! 私だって『大人な女性』になれるのですよ!(変ー身ー) ほらほら、彩花様! 胸だって本物ですよ! 作り物じゃないですよ!」
彩花「何これ? 嫌がらせ? つうか変化でしょ。偽物でしょ。ふ、ふーふふん。羨ましくなんかないもの(メソメソメソ、朱桜ちゃんだけはって信じてたのに)」
朱桜「……ごめんなさいです」
火羅「ほら、ほらね、私を」
彩花「あーのーね! 私には太郎さんがいるの!」
朱桜「お願いです、彩花様、側室でもいいですから、ずっとお側に!」
彩花「側室って!?」
火羅「じゃあ、じゃあ、ど、奴隷?」
彩花「も、もう!」
彩花「そんなこと言う、朱桜ちゃんも火羅さんも、嫌い!」
大獄丸『先生』「……」
彩花「あれー?」
火羅「……」
咲夜「……」
沙羅「……」
静まりかえった教室。
火羅「な、なんで! 私が何をしたの!」
咲夜「おーよしよし、泣くな泣くな。彩花ちゃん、酷いぞ!」
沙羅「……ひ、ひどいです。目を覚ましたらいきなりそんなことをお、大声で」
彩花「あれー? あれれ?」
寝ていたらしい。
寝ていたらしい。
机に、ちょぴっとよだれの痕がある。
では、あれは夢だったのか。
火羅「ね、ねえ! 私、どうしたらいいの!」
彩花「ご、ごめん、火羅さん!」
火羅「ご、ごめん!? 私、もう友達じゃないの!? それで謝ってるの!? そ、そうよね、どうせ私は貧乏だし、彩華さんに弄ばれてばかりだし、身体測定でも圧勝したし、身分をわきまえるべきだったのね! う、う……ふえーん!」
彩花「返せー、私の分返せー、じゃなくて! どうせ私は圧敗、じゃなくて!」
咲夜「まさか! 火羅さんを弄んでいたなんて」
沙羅「さ、彩花、恐ろしい子」
八霊「彩花ーーーーーー!!!!!! わしゃあ、認めんぞ!!!」
彩花「黙れジジイ」
一同「「「ゾワワー」」」
大獄丸先生「……授業」
彩華「むむ、このロールちゃん美味いのぉ。おお、帰ったか彩花。早速、昨晩今朝としたこすぷれしょーの続きを」
彩花「お姉様が夜眠らせてくれなかったから(コスプレのモデルをやり続けて)、学校で居眠りして恥かいたじゃないの!」
彩華「?」
ガタン!
葉子「そ、そんな、お嬢様方……い、いけません! お二人は双子なのですよ! そんな不純な……あ、でも、お二人の方が安心できるかも。それはそれで萌えるさね。むむ、むむむ、禁断の恋。愛したのは同性、そして双子! 広大な屋敷で起こる第二、第三の殺人事件! 犯人は愛した姉なのか! それとも! 犯行を自供したメイド長の死によって、解決したと思われた事件はまた迷宮入りに!」
彩花「葉子さん、恐い」
彩華「さっぱりわからん。とりあえず、彩花が嫌なら、火羅を呼ぶか」
彩花「お姉様がそういうことするから!」
彩華「は?」
葉子「……不倶戴天の敵となって戦場で出会う二人! ゲリラを率いる女カリスマと、政府を支える女将軍、一体、愛し合う双子の運命はどうなるさか! 戦場を駆ける隻腕の美人傭兵メイド長は、一体どのような選択をするのさか!」
彩花「……ああ、疲れた」
これはひどいお話(。・ω・。)