「長いな~」 姫様がそう、いった。左手に朱桜の小さな手。 その背中には沙羅がおどおど隠れながら。 どれほど、歩いただろうか。距離も、時間も、わからなかった。 「ねえ」 姫様が、明るくいう。自然な明るさ。いつもの、姫様。 二人の、暗い顔とは対称的…
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