こそっと手を伸ばすと、ぱちんと小気味良い音が。 妖狼の娘は、その赤い髪よりも、ずっと淡い赤みを帯びた手の甲を押さえながら、恨めしげに隣に座る人の娘を見やった。 「これは、私のものです」 蒲公英色に、桜色で染め上げた着物を身に纏った、髪の長い、…
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