愉快な呂布一家~ 二人~
呂布:天下無双の火の玉「ガール」!美人だ、小柄だ、怪力だ!思いっきり抜けてるけど優しいぞ!
陳宮:呂布軍軍師!呂布に振り回されてるそうな・・・
張遼:呂布・貂蝉の義妹。呂布軍第二武将!まだまだお子さま!でも武勇は抜群だ!
呂布様の天下を見てみたい。
そのために、ずっと働いてきた。
でも、呂布様はどうなんだろう?
本当に、そう思っているのだろうか?
あのとき、呂布様は確かに乱世を終わらせたいと言われた。
長いつき合いになると思いますがよろしくお願いします、そう言われた。
でも、それはご自分で、という意味だったのだろうか?
陳宮が、立ち止まった。主の姿を見つけたのだ。
呂布は、義妹である張遼と談笑していた。
その笑みが、陳宮の心をあったかくした。
「呂布様、お話があります」
「え、どんな話?」
「なになに~」
「張遼さま、少し外してほしいのですが……」
「むー!」
「えー! 張遼もいいじゃない」
張遼が頬を膨らませた。呂布も頬を膨らませた。
陳宮は、首を横にふった。
「いえ……内密のお話なので……」
「……張遼」
「はーい。呂布姉さま、後で教えてね~」
張遼が少し二人から離れた。呂布が陳宮に背を向けた。
「教えられたらね~」
張遼が、とんとんとんと駆けていく。鎧が、かしゃかしゃと音をたてた。
「前見て走らないと危ないよ~」
呂布が、陳宮を振り返る。一つにくくった黒髪が、すっと靡いた。
「それで、話って?」
「……少し、上に行きませんか?」
「? いいよ」
眼下に広がる草原。二人で黙って眺めた。
小沛城で、もっとも眺めが良い場所に来ていた。
「陳宮?」
「呂布様、徐州を呂布様の物にする計画、準備出来ました」
「え……?」
「……」
「それは……」
呂布は、少し困った顔をした。
何度も、陳宮の言葉を頭の中で何度も繰り返した。
「そう……」
「呂布様。まだ、やめられます」
「……」
「もし、呂布様が望まないのなら、計画は中止させます」
「……やろう」
「……」
「言ったよね。私は、戦をするだけだって、それしかできないって。だから、陳宮に色々と任せるって」
「呂布様。呂布様は、天下を本当にお望みなのですか?」
一番、聞きたかったことだった。
「……どうなのかなあ。平和になればいいとは思うけど」
「呂布様……」
「それに、戦しか出来ない私が天下を治めるっていうのも、変かな~って時々思うの」
「変では、ございません」
本心だった。
「陳宮が、見たいって言ってくれたんだよね」
「ええ」
「そう、なんだよね」
「は?」
「陳宮が、見たいっていってくれたから、私は天下を狙う。それで、いいじゃない」
呂布の腕が、陳宮の頬に伸びた。
細い綺麗な指が、陳宮の頬に触れた。
「ちょっと、痩せたね」
「最近、忙しかったですから」
「戦は私、政は陳宮。二人で、一つ。二人で、天下を狙う。それで、いいじゃない」
「……徐州をとります。それでよろしいですね」
「うん……あ、劉備さん達には、あんまり危害を加えたくないな」
「わかっております」
また、黙って二人で広大な草原を眺めた。
しばらくして、陳宮がぺこりと一礼すると、その場を離れた。
呂布は、まだ草原を眺めていた。
陳宮:呂布軍軍師!呂布に振り回されてるそうな・・・
張遼:呂布・貂蝉の義妹。呂布軍第二武将!まだまだお子さま!でも武勇は抜群だ!
呂布様の天下を見てみたい。
そのために、ずっと働いてきた。
でも、呂布様はどうなんだろう?
本当に、そう思っているのだろうか?
あのとき、呂布様は確かに乱世を終わらせたいと言われた。
長いつき合いになると思いますがよろしくお願いします、そう言われた。
でも、それはご自分で、という意味だったのだろうか?
陳宮が、立ち止まった。主の姿を見つけたのだ。
呂布は、義妹である張遼と談笑していた。
その笑みが、陳宮の心をあったかくした。
「呂布様、お話があります」
「え、どんな話?」
「なになに~」
「張遼さま、少し外してほしいのですが……」
「むー!」
「えー! 張遼もいいじゃない」
張遼が頬を膨らませた。呂布も頬を膨らませた。
陳宮は、首を横にふった。
「いえ……内密のお話なので……」
「……張遼」
「はーい。呂布姉さま、後で教えてね~」
張遼が少し二人から離れた。呂布が陳宮に背を向けた。
「教えられたらね~」
張遼が、とんとんとんと駆けていく。鎧が、かしゃかしゃと音をたてた。
「前見て走らないと危ないよ~」
呂布が、陳宮を振り返る。一つにくくった黒髪が、すっと靡いた。
「それで、話って?」
「……少し、上に行きませんか?」
「? いいよ」
眼下に広がる草原。二人で黙って眺めた。
小沛城で、もっとも眺めが良い場所に来ていた。
「陳宮?」
「呂布様、徐州を呂布様の物にする計画、準備出来ました」
「え……?」
「……」
「それは……」
呂布は、少し困った顔をした。
何度も、陳宮の言葉を頭の中で何度も繰り返した。
「そう……」
「呂布様。まだ、やめられます」
「……」
「もし、呂布様が望まないのなら、計画は中止させます」
「……やろう」
「……」
「言ったよね。私は、戦をするだけだって、それしかできないって。だから、陳宮に色々と任せるって」
「呂布様。呂布様は、天下を本当にお望みなのですか?」
一番、聞きたかったことだった。
「……どうなのかなあ。平和になればいいとは思うけど」
「呂布様……」
「それに、戦しか出来ない私が天下を治めるっていうのも、変かな~って時々思うの」
「変では、ございません」
本心だった。
「陳宮が、見たいって言ってくれたんだよね」
「ええ」
「そう、なんだよね」
「は?」
「陳宮が、見たいっていってくれたから、私は天下を狙う。それで、いいじゃない」
呂布の腕が、陳宮の頬に伸びた。
細い綺麗な指が、陳宮の頬に触れた。
「ちょっと、痩せたね」
「最近、忙しかったですから」
「戦は私、政は陳宮。二人で、一つ。二人で、天下を狙う。それで、いいじゃない」
「……徐州をとります。それでよろしいですね」
「うん……あ、劉備さん達には、あんまり危害を加えたくないな」
「わかっております」
また、黙って二人で広大な草原を眺めた。
しばらくして、陳宮がぺこりと一礼すると、その場を離れた。
呂布は、まだ草原を眺めていた。