小説置き場2

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邪眼の魔王――ウルス――

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 大陸の南に存在する広大な平野を治める王。

 金色の髪、双角。

 蒼色の右目、紅色の左目。

 百五十年より前、今現在ウルスの王国がある平野には住むものが少なかった。

 荒れ狂うもの―暴龍―が平野に陣取り、移住してきたものを度々襲ったからである。

 せいぜい、国を捨てたダークエルフぐらいのもの。

 当時無敵を誇った暴龍。

 その暴龍を殺したのがウルスであった。

 その後、ウルスの元に勝手に集まってきた集団が、いつの間にか国になった。

 ウルスの国は混成国家で、他の国々と異なり中心種族をもたない。

 国の出入りを特に禁止しておらず、自由に他国と行き来出来る。

 来るものは拒まず、去るものは追わず。

 それがウルスの国のモットーである。

 性格は六人の王の中ではもっとも穏やか。

 暴龍を倒すまでの記憶をもたないが、本人はあまり気にしている様子はない。

 本人、王としての仕事はほとんどせず、もっぱら部下任せ。

 王国の幹部が集まっての会議中も、いつも面倒くさそうにしている。

 出るようになっただけましなそうだ。

 義理の娘が一人おり、ただ今溺愛中。

 よくエプロン姿で城をうろちょろしている。

 本人は早く王の座を誰かに譲りたいと娘に度々漏らし、その都度娘に注意されている。