推敲前?
見たいアニメが重なって悶絶している今日この頃、どんなもんでしょうか?
とりあえず、パトレイバー2はビデオにしときます^^;
ああ、今日は忙しい
二週間ぶりのあやかし姫更新。久々なので、やりにくいことやりにくいこと(。・ω・。)
んでまぁ、ばーっと出しちゃいました
初期稿がこれ↓
村外れの、月心の家。
挨拶しようかしまいか、姫様は少し考えた。
早朝。まだ眠っているだろうと声を掛けるのをやめにした。
道は、遮るものが少なく、古寺のある小山が、よく、見える。
「行こうぜ」
「あ、うん」
姫様は、白を基調とした旅装束。長い髪を、市女笠の中に収めていた。
大切なお金は、腰の巾着に入れてある。
水を入れた竹筒や、薬などの他の旅荷物は、籠の中。
太郎が背負ってくれていた。
「どうした?」
姫様は、道の真ん中、ちょうど月心の家の横で、立ち止まった。
太郎が、心配そうに歩み寄った。
「……知らない世界」
呟き。
太郎の耳にも届いた。
「そう、ここから先を、私は、知らない」
「だっけ?」
緊張した面持ちが、笠の下にある。
緊張し、高揚した面持ちが。
「知らないの!」
姫様の杖が、太郎の足首を狙うような、ゆっくりとした動きを見せた。
容易くかわした。
「ふぅん……姫様、あんまし大声立てると月心が」
「あ」
しぃーっと。
人の音が消え、冬の音だけが聞こえた。
月心は、出てこなかった。
「はぁ、太郎さんには、わからないかな」
さっきよりも随分と小さなものになっていた。
「わかるよ」
「わかるの?」
疑わしげな視線を向ける。
「俺も、始めて村を出たとき、不思議な気持ちになった。あれは、今でも覚えてる」
同じなのかなと、姫様は思った。
空いている手を、寄せてみた。
太郎の手。妖しが化けた、人の手。
繋ぐ。
繋ぎたくなったから、繋いだ。
冬。寒い。だから、温かくなりたい。
太郎の手は、暖かだった。
「……ねぇ、ねぇ、せぇので、踏み出そう。一緒に」
意を決すのに、少し時間がかかった。声を掛けるのに、間があった。
もう、妖狼は踏み出していた。
しばらく、固まる。
太郎は、しまったという顔をしていた。姫様は、笑顔を貼り付けていた。
足の甲を踏みつけると、しょんぼり引っ込めた。
「せぇの、だからね」
「はい」
姫様が言う。
二人で、一歩踏み出す。
姫様はまた、立ち止まった。
「太郎さん、えっとね……不思議な気持ちに、なってる」
「だろう?」
それから、二人は、手を繋いだまま歩き出した。
挨拶しようかしまいか、姫様は少し考えた。
早朝。まだ眠っているだろうと声を掛けるのをやめにした。
道は、遮るものが少なく、古寺のある小山が、よく、見える。
「行こうぜ」
「あ、うん」
姫様は、白を基調とした旅装束。長い髪を、市女笠の中に収めていた。
大切なお金は、腰の巾着に入れてある。
水を入れた竹筒や、薬などの他の旅荷物は、籠の中。
太郎が背負ってくれていた。
「どうした?」
姫様は、道の真ん中、ちょうど月心の家の横で、立ち止まった。
太郎が、心配そうに歩み寄った。
「……知らない世界」
呟き。
太郎の耳にも届いた。
「そう、ここから先を、私は、知らない」
「だっけ?」
緊張した面持ちが、笠の下にある。
緊張し、高揚した面持ちが。
「知らないの!」
姫様の杖が、太郎の足首を狙うような、ゆっくりとした動きを見せた。
容易くかわした。
「ふぅん……姫様、あんまし大声立てると月心が」
「あ」
しぃーっと。
人の音が消え、冬の音だけが聞こえた。
月心は、出てこなかった。
「はぁ、太郎さんには、わからないかな」
さっきよりも随分と小さなものになっていた。
「わかるよ」
「わかるの?」
疑わしげな視線を向ける。
「俺も、始めて村を出たとき、不思議な気持ちになった。あれは、今でも覚えてる」
同じなのかなと、姫様は思った。
空いている手を、寄せてみた。
太郎の手。妖しが化けた、人の手。
繋ぐ。
繋ぎたくなったから、繋いだ。
冬。寒い。だから、温かくなりたい。
太郎の手は、暖かだった。
「……ねぇ、ねぇ、せぇので、踏み出そう。一緒に」
意を決すのに、少し時間がかかった。声を掛けるのに、間があった。
もう、妖狼は踏み出していた。
しばらく、固まる。
太郎は、しまったという顔をしていた。姫様は、笑顔を貼り付けていた。
足の甲を踏みつけると、しょんぼり引っ込めた。
「せぇの、だからね」
「はい」
姫様が言う。
二人で、一歩踏み出す。
姫様はまた、立ち止まった。
「太郎さん、えっとね……不思議な気持ちに、なってる」
「だろう?」
それから、二人は、手を繋いだまま歩き出した。
「急にかしこまって、どうした?」
見目麗しい男だった。
人でない証に、額に、二本の見事な角がある。
西の鬼の王、酒呑童子であった。
「はい、父上にお願いしたいことがございます」
王の目の前にいるのは、愛娘の朱桜。
きちんと正座し背筋を伸ばし、真剣な眼差しを父親に向けている。
いつもは可愛い可愛いとでれーっとなる親馬鹿も、堅い空気に眉をひそめ、難しい顔をしていた。
「……彩花ちゃんのことか」
「行きたいのです。行って、お話したいのです」
切に願っていた。もう、両手では数えられぬほど、せがまれていた。
「とは言われても……俺も茨木も、今、忙しいし……」
朱桜の額の小さな角が、めきりと動いた。
「星熊さん達に、頼むですよ」
「でも、なぁ……今、八霊がいないし、いざとなったら心配だし……やっぱり、俺か茨木の手の空いたときに」
「……そうやって父上さまも叔父上さまも、いつもいつも行かせてくれないです……」
「わかってくれ、朱桜を想えばこそ、俺も茨木も」
「……父上さま、嫌い」
遠くを見るように視線を逸らすと、朱桜は呟いた。
「あ、朱桜?」
え、ちょ、ちょっとと、鬼の王は目に見えて慌てた。
「もう、顔も、見たくないです」
背を向ける。
「もう、声も、聞きたくないです」
耳を塞ぐ。
大口開けた鬼の王は、ぷるぷると全身を震わせていた。
「酒呑童子様、では」
「酒呑童子……」
娘に、名を、呼ばれた。
「あ、朱桜! ち、父は!」
娘の前に風のように移動すると、王は思わず小さな身体を抱き締めていた。
「何ですか、酒呑童子様」
固い声。生気のない、冷たい声。
恐る、恐る、酒呑童子は娘の方を見た。
「……」
朱桜は耳を塞ぎ、顔を背けていた。
酒呑童子が、朱桜を手放す。よろめき、柱に背をぶつけると、そのままへたりこんだ。
「……朱桜……」
「もう行ってもいいですか、酒呑童子様」
だめ押しだった。
「……星熊と、虎熊呼んでくる」
「で?」
「二人と一緒なら、彩花ちゃんに、会いに行ってもいいよ」
「……父上さま、大好き!」
朱桜が王の首にしがみついた。
酒呑童子は、まだ、呆然としている。鬼の王の威厳など、どこにもなかった。
娘の瞳に、赤々とした焔が、宿っている。また、めきりと小さな角が音を立てた。
見目麗しい男だった。
人でない証に、額に、二本の見事な角がある。
西の鬼の王、酒呑童子であった。
「はい、父上にお願いしたいことがございます」
王の目の前にいるのは、愛娘の朱桜。
きちんと正座し背筋を伸ばし、真剣な眼差しを父親に向けている。
いつもは可愛い可愛いとでれーっとなる親馬鹿も、堅い空気に眉をひそめ、難しい顔をしていた。
「……彩花ちゃんのことか」
「行きたいのです。行って、お話したいのです」
切に願っていた。もう、両手では数えられぬほど、せがまれていた。
「とは言われても……俺も茨木も、今、忙しいし……」
朱桜の額の小さな角が、めきりと動いた。
「星熊さん達に、頼むですよ」
「でも、なぁ……今、八霊がいないし、いざとなったら心配だし……やっぱり、俺か茨木の手の空いたときに」
「……そうやって父上さまも叔父上さまも、いつもいつも行かせてくれないです……」
「わかってくれ、朱桜を想えばこそ、俺も茨木も」
「……父上さま、嫌い」
遠くを見るように視線を逸らすと、朱桜は呟いた。
「あ、朱桜?」
え、ちょ、ちょっとと、鬼の王は目に見えて慌てた。
「もう、顔も、見たくないです」
背を向ける。
「もう、声も、聞きたくないです」
耳を塞ぐ。
大口開けた鬼の王は、ぷるぷると全身を震わせていた。
「酒呑童子様、では」
「酒呑童子……」
娘に、名を、呼ばれた。
「あ、朱桜! ち、父は!」
娘の前に風のように移動すると、王は思わず小さな身体を抱き締めていた。
「何ですか、酒呑童子様」
固い声。生気のない、冷たい声。
恐る、恐る、酒呑童子は娘の方を見た。
「……」
朱桜は耳を塞ぎ、顔を背けていた。
酒呑童子が、朱桜を手放す。よろめき、柱に背をぶつけると、そのままへたりこんだ。
「……朱桜……」
「もう行ってもいいですか、酒呑童子様」
だめ押しだった。
「……星熊と、虎熊呼んでくる」
「で?」
「二人と一緒なら、彩花ちゃんに、会いに行ってもいいよ」
「……父上さま、大好き!」
朱桜が王の首にしがみついた。
酒呑童子は、まだ、呆然としている。鬼の王の威厳など、どこにもなかった。
娘の瞳に、赤々とした焔が、宿っている。また、めきりと小さな角が音を立てた。
「ああ、行っちまったさよ」
手を振っていた姫様が、見えなくなった。
白狐は少し寂しげに、肩を落とした。
「行ってしまったわ」
火羅も、肩を落としていた。
「帰ってくるのは、夜か、明日さね」
「明日? 一日で行って帰ってこれるって」
「姫さんの足で、一日で帰ってこれるとは思えぬ」
黒之助が、言う。
周りの妖達が、うんうんと頷いていた。
「そうね……あの子は人だし」
火羅は、納得した。
「クロちゃんは、何時行くさね?」
「白蝉殿の朝餉が終わった頃かな。まだ、少し時間があるか」
朝餉、か。
結局、あれから触らせてもらってないなと、火羅は思った。
「早く行けー」
「行けー」
「行けー」
「何だと!」
「ああ、頼むから暴れないでね。姫様いないんさよ」
「む」
鴉天狗の姿になっていた黒之助が、人の姿に戻った。
「彩花さん、早く帰ってこないかな」
「……火羅、姫様のこと、心配?」
葉子が、にぃーと笑った。
「わ、私は! べ、別に!」
「ほっぺが赤いよ」
葉子は、面白がっていた。
「ん、な、な」
手を振っていた姫様が、見えなくなった。
白狐は少し寂しげに、肩を落とした。
「行ってしまったわ」
火羅も、肩を落としていた。
「帰ってくるのは、夜か、明日さね」
「明日? 一日で行って帰ってこれるって」
「姫さんの足で、一日で帰ってこれるとは思えぬ」
黒之助が、言う。
周りの妖達が、うんうんと頷いていた。
「そうね……あの子は人だし」
火羅は、納得した。
「クロちゃんは、何時行くさね?」
「白蝉殿の朝餉が終わった頃かな。まだ、少し時間があるか」
朝餉、か。
結局、あれから触らせてもらってないなと、火羅は思った。
「早く行けー」
「行けー」
「行けー」
「何だと!」
「ああ、頼むから暴れないでね。姫様いないんさよ」
「む」
鴉天狗の姿になっていた黒之助が、人の姿に戻った。
「彩花さん、早く帰ってこないかな」
「……火羅、姫様のこと、心配?」
葉子が、にぃーと笑った。
「わ、私は! べ、別に!」
「ほっぺが赤いよ」
葉子は、面白がっていた。
「ん、な、な」
葉子も、黒之助も、小妖達も、古寺に戻っていった。
火羅だけが、門の前に残った。
溜息が、出た。
少し、嫉妬してしまっている自分に、気が付いた。
火羅だけが、門の前に残った。
溜息が、出た。
少し、嫉妬してしまっている自分に、気が付いた。
↑推敲前っていうのかな?
今とは大分変わってます。変わったというか、追加っていうか^^;
ごめんね、Muさん;-;
ぶちさんの真似をしてみましたとさ
ちゃんちゃん♪