富士登山記(終)
行きはよいよい帰りは辛い、帰宅するまでが遠足だ!
行きからして、もの凄く辛いんですけど!(怒)
山頂からの眺めは、圧巻だった。
これが、富士山からのご来光。
これが、日本最高峰からの眺め。
高山病にかかりながら、寒さに身を震わせながら、登った甲斐があった。
雲は多かったが、合間合間にご来光を見ることが出来た。
これは――また、見たくなるね。
一通り自然の作り出す造形に感嘆した後は、お鉢めぐりに剣が峰、浅間神社奥宮――とは、いかなかった。
高山病、突風、寒さ。
もはやそんな体力はなかったのだ。
笑う膝を奮い立たせ、富士山頂をあとにする。
また来よう――とは、あまり思わなかったし、今も思わない。
ただ、幾何かの名残惜しさは残ってしまった。
下りは、砂礫――いわゆる砂走りを使うことになる。
スキーのように砂の上を滑ることで、本来であれば勢いよく下れるところなのだが、悲しいかな足が言うことをきかない。
そもそも、高山病のせいでやっぱり休憩をはさむし、前を歩いていたガイドさんが転びやすいよーと言っていたところばっちり転んでしまう。
一回転んだあとは、バランスをとれるようになったけどね。
大変大変、下りも大変。
人も山小屋も、米粒のよう(もう少しでかくみえたけど)
ひたすらつづら折りが続く。
単調な道が、心を折りにかかる。
嘘だった。まぁ、とっくに折れてたゆえ(笑)
生ける屍である。
立ち昇る、雲海。
小雨が一変、素晴らしい日差し。
天気がいいということは――暑さが戻ってくるということである。
今回は、そう、防寒ほぼフル装備――長Tシャツ+ロングパンツ+インナーまで身軽になったけど、それでも秋用、さすがにさすがに暑さが辛い。
これは準備段階の大きなミスで、山小屋前の夏用装備→ご来光用の冬装備までは準備していたのだけれど、下山時の夏装備を用意していなかったのだ。
本当に、考えていなかった。何なら、山小屋で装備の準備や荷物の整理をしているときも気づかなかった。
つば有りのメッシュ帽子、奥底にしまってしまったぐらいだし。
暑い暑いと水分補給をしながら、無数の曲り道を下っていく。
ここで、山小屋弁当を食べる。
食べながら休憩しないと、やっていけない。
それでも、看板の時間とほぼ同じ。
砂走りが終わるころには、周囲の人と同じぐらいになっていた。
高山病が終わったのだ。
膝ががくがくで、走る気力はさすがになかった(笑)
7合目の休憩所、6合目のトイレ、そして――。
登りと合流し、ぶらぶらと歩いていく。
初日、こんなに辛かったっけ?
基本、登りの方が辛いんだけど、富士山は、違う。
そんなことを考えながら――5合目。
着いた。
8時半前に、到着。
あとは、簡単だ(簡単じゃなかったけど)
富士山駅までバスで移動し、まるで実家のような線路のなさに感嘆しつつ、高尾経由で電車に揺られていく。
3線しかないし。
駅員さんに行先聞かれて、ホーム教えてもらったし。
そんな経験、久しくないで?(実家の新宮駅ならよくある)
バスの中では居眠りモード。隣の外人さんに頭を預けまくる。
もちろん、電車の中でもうつらうつら。利用客がいなさすぎて、快適である(対面式の席であした)
どこの紀伊本線だといいたくなる、駅に路線にほっこりしたのは内緒だ。
5号目を出発して、多分5時間ぐらい。
何とか、辿り着いたのだ。
シャワー、睡眠、そして無の境地に。
これで、富士登山のレポートは終了である。
準備期間があったはずなのに、終わってみればあれもないこれもない、そもそも準備してなくねという、突貫旅行になってしまった。
考えてみれば、帰省や家族に会う以外の、久々の一人旅。
準備含めて、辛い部分が多かったけれど、終わってみればいい経験だったなと。
山頂の景色が、素晴らしかった。
夜の星々も、連なるライトも、幻想的だった。
初めて見る、雲海に圧倒された。
次の登山が何時になるかは決めていない。
ただ、少しずつ、範囲を広げてもいいかなぁと思う。
関東日帰りコースが基本だけど、山は幾らでもあるのだ。
次に目指すは――アルプス?
15-17日なんかはよさげだけど。
2日ぐらい、山に使ってもいいかな。
それまでに、慣らしで登る機会がないのが、少し辛いなー。
まぁ、いきなり富士山でもなんとかなったし、頑張って体重落としておけば(アイス食いつつ)動きやすい体にきっとなっているでしょう。
うん、富士山。
富士山に、一度登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿――その言葉通り、二回目はしばらくいいかなと思っている。
思ってはいるが、来年のことを言うのは鬼が笑う。
もしかしたら、すごく暇になっているかもしれないしね(笑)
とってんぱらりん♪
富士登山記~終わり~