第十七話(2)~きのこ狩り之2~
「結局あたい達あまり採れなかったと」
「ご、ごめんなさい」
「・・・・・・」
「いいよ、あたいのせいでもあるし」
「・・・ごめんなさい」
「そんなに気にしなくていいから」
葉子、朱桜、沙羅は三人体育座り。ぼ~っと今日の反省をしていた。
「どうだ、首尾の方は?」
「頭領、あたい達はあんまり・・・。でも、他のやつらがたくさん採ってきたみたいです」
「ほう、それはよかった」
「姫様が今あっちで分けてます」
「そうかそうか」
ほくほく顔の頭領。
頬に赤い跡がある。
「どうじゃ、たくさん採れたか」
姫様に後ろから声をかける。姫様は頭領の方を振り向かない。黙々と手を動かすだけ。
「頭領」
冷たい声が背中越しに。
「な、なんじゃ」
「ずっと寝てらしたそうですね」
「あ、ああ」
「頭領の分は無いですから」
「え」
「そういうことですので」
「そ、そんな~」
「よう、葉子。なんでい、しみったれた顔して」
「お二方もなんだか暗いですな」
「太郎にクロちゃん。あんたらまたいっぱい採ってきたね」
「ふ、これなら俺の勝ちだろ」
「まだだ、姫さんに食べられるものとたべられないものを分けてもらわないとな」
「お前の採ってきたのはきっと毒きのこばっかりだぜ!」
「お主のほうこそな!」
二人は三人のもとを走り去っていく。
「げ、元気ですね~」
「毎年のことさね」
「・・・・・・」
皆が採ってきたきのこはかなりの量。なめこ、しいたけ、ならたけ、まいたけ、まつたけ、えのき、しめじ・・・・・・。
食べられないのを除いても、それはそれはたくさんで。
それを全部大鍋に入れて、そのままきのこ鍋にしたのだった。
「美味しいですね」
「うん」
皆採れたてきのこに舌鼓。
そこから離れたところで頭領、太郎、黒之助が仲良く並んで体育座り。揃って星空を見上げていた。
「星が綺麗ですな」
「そうだな」
「なぜぬしらまでここに?」
「俺のも」
「拙者のも」
「全部毒があるって・・・・・・しくしくしく・・・・・・」
「格好悪くてあっちにいけやしませんよ・・・・・・しくしくしく・・・・・・」
「そうか・・・いや、今宵は星が綺麗じゃ」
「あ、流れ星」
「す、すごいですね、あれだけ採ってきて全部毒きのこなんて」
「去年もそうだったような気がする」
「・・・・・・どこ、いくの?」
「ちょっとね」
姫様が席を立った。
「三人とも」
「姫様」
「どうしました」
「早くこっちに来て召し上がって下さい」
「でも・・・・・・」
「いいから早く!」
「は、はい!!」
「わしもか?」
「当たり前です!」
「・・・・・・」
「鍋、美味しいですよ」
「・・・・・・うん、ありがたく頂くよ」
「結局皆で食べるわけね」
「皆で食べたほうが美味しいです」
「そうですね」
「うん」
「いやあ、姫様に言われたら食べないとしょうがないよね」
「そうそう、姫さんに言われたのだからな」
「うむ、彩花が言うのだから」
ぱちぱちという音。
火が夜の森を照らす。
皆お腹いっぱい満足である。
ちなみに後片づけは珍しく頭領が。烏と狼の姿もそこにあったとさ。
「ご、ごめんなさい」
「・・・・・・」
「いいよ、あたいのせいでもあるし」
「・・・ごめんなさい」
「そんなに気にしなくていいから」
葉子、朱桜、沙羅は三人体育座り。ぼ~っと今日の反省をしていた。
「どうだ、首尾の方は?」
「頭領、あたい達はあんまり・・・。でも、他のやつらがたくさん採ってきたみたいです」
「ほう、それはよかった」
「姫様が今あっちで分けてます」
「そうかそうか」
ほくほく顔の頭領。
頬に赤い跡がある。
「どうじゃ、たくさん採れたか」
姫様に後ろから声をかける。姫様は頭領の方を振り向かない。黙々と手を動かすだけ。
「頭領」
冷たい声が背中越しに。
「な、なんじゃ」
「ずっと寝てらしたそうですね」
「あ、ああ」
「頭領の分は無いですから」
「え」
「そういうことですので」
「そ、そんな~」
「よう、葉子。なんでい、しみったれた顔して」
「お二方もなんだか暗いですな」
「太郎にクロちゃん。あんたらまたいっぱい採ってきたね」
「ふ、これなら俺の勝ちだろ」
「まだだ、姫さんに食べられるものとたべられないものを分けてもらわないとな」
「お前の採ってきたのはきっと毒きのこばっかりだぜ!」
「お主のほうこそな!」
二人は三人のもとを走り去っていく。
「げ、元気ですね~」
「毎年のことさね」
「・・・・・・」
皆が採ってきたきのこはかなりの量。なめこ、しいたけ、ならたけ、まいたけ、まつたけ、えのき、しめじ・・・・・・。
食べられないのを除いても、それはそれはたくさんで。
それを全部大鍋に入れて、そのままきのこ鍋にしたのだった。
「美味しいですね」
「うん」
皆採れたてきのこに舌鼓。
そこから離れたところで頭領、太郎、黒之助が仲良く並んで体育座り。揃って星空を見上げていた。
「星が綺麗ですな」
「そうだな」
「なぜぬしらまでここに?」
「俺のも」
「拙者のも」
「全部毒があるって・・・・・・しくしくしく・・・・・・」
「格好悪くてあっちにいけやしませんよ・・・・・・しくしくしく・・・・・・」
「そうか・・・いや、今宵は星が綺麗じゃ」
「あ、流れ星」
「す、すごいですね、あれだけ採ってきて全部毒きのこなんて」
「去年もそうだったような気がする」
「・・・・・・どこ、いくの?」
「ちょっとね」
姫様が席を立った。
「三人とも」
「姫様」
「どうしました」
「早くこっちに来て召し上がって下さい」
「でも・・・・・・」
「いいから早く!」
「は、はい!!」
「わしもか?」
「当たり前です!」
「・・・・・・」
「鍋、美味しいですよ」
「・・・・・・うん、ありがたく頂くよ」
「結局皆で食べるわけね」
「皆で食べたほうが美味しいです」
「そうですね」
「うん」
「いやあ、姫様に言われたら食べないとしょうがないよね」
「そうそう、姫さんに言われたのだからな」
「うむ、彩花が言うのだから」
ぱちぱちという音。
火が夜の森を照らす。
皆お腹いっぱい満足である。
ちなみに後片づけは珍しく頭領が。烏と狼の姿もそこにあったとさ。