第二十五話~お見舞い~
「彩花ちゃん、雪ですよ~」
「沙羅ちゃん」
外に出るとかっぱの子が。どうやら遊びに・・・
「風邪大丈夫ですか?」
「あれ、どうして・・・」
「頭領様が手紙をくれました」
どうやらお見舞いに来てくれたよう。
姫様、頭領のほうを見る。頭領、天を向いたまま。
「雪~」
「雪~」
「雪だ~!」
はしゃぐ妖達。太郎が一番はしゃいでいて。
「犬だな」
「犬ね」
「なんか言ったか?」
「なんにも」
「そう?」
「姫様、寒くないですか?」
「大丈夫です」
「あんまり外にいると・・・」
「もう少し、外にいさせて下さい」
舞い落ちる雪、手のひらにのせる。
すぐにとけて水になる。
「ねえ、葉子さん、沙羅ちゃん」
「なんです?」
「朱桜ちゃんと一緒に、この雪見たかったな」
「・・・・・・」
「小さくて色白で・・・白い色が好きだって・・・」
「・・・・・・」
「朱桜ちゃん、雪を見たことがないって言ってました・・・きっと喜んでくれたと思います」
「きた!!!」
頭領が大きな声をあげた。
空に光。
段々、近づいてくる。
「なんだよ、あれ・・・」
「おかしいの・・・・・・あの馬鹿!みんな、伏せろ!」
衝撃。轟音。
辺り一面に煙が立ちこめた。
「なに・・・見えない・・・こほこほ・・・」
煙に映る人影。
姫様の前に立っていた。
あれ、誰だろう・・・葉子さんにしては小さい・・・沙羅ちゃん?・・・いえ、もっと小さい・・・
「彩花さま!」
「・・・・・・朱桜ちゃん?」
あれ、寝ぼけてるのかな・・・頬をつねって・・・
「夢・・・じゃない」
「わたし・・・わたしお見舞いに来ました」
「そう・・・・・・朱桜ちゃん、ありがとう」
嬉しそうに姫様が笑った。
「はい」
朱桜も嬉しそうに。
「八霊~」
「酒呑童子・・・お前何でここまで来た・・・」
「一番早い奴~」
「わざわざ星を使いおって、お前あほか・・・酒呑?」
「目が~目が回る~うわ~い」
「うわ!酒臭!」
「酒呑童子様・・・」
「七日七晩の宴のあとですから」
「?」
「私のために鬼の皆さんが宴をしてくれてるんです」
「そうなんですか」
「あの、彩花さま。この白いものなんです?」
「これが・・・これが雪ですよ」
「これが・・・・・・雪・・・」
「ええ」
朱桜、ひらひらと舞う雪に手をのばす。
「あれ?彩花さま、水になります!」
「ふふ・・・」
「頭領、朱桜ちゃん呼んでくれてたんだ」
「よ、良かったですね」
「・・・でも・・・・」
「でも?」
朱桜の横でふらふら揺れている姫様。
そのままぱたんと倒れてしまった。
「いわんこっちゃない!」
「彩花さま!」
「彩花ちゃん!」
「姫様!」
「姫さん!」
「彩花!」
「すみません・・・・・・」
「姫様、また風邪ぶりかえして」
「彩花さま、大丈夫ですか」
「うん」
「お・お・お・お・お花畑が~」
「父さま・・・・・・」
「大丈夫じゃよ。ちょっと飲み過ぎなだけじゃから」
姫様は、布団の中。酒呑童子は壁にもたれている、だけ。
「朱桜ちゃん・・・いつまでここに?」
ちらっと酒呑童子のほうを見る。
「・・・父さま次第です」
「そうですね。私、風邪早く治さないと」
「そうそう、早く治すんですよ」
「はい・・・」
「あ、あれ、彩花ちゃん・・・泣いてる?」
ごしごしと、姫様目をこする。
酒呑童子を除いて、皆姫様のほうを見る。
「私・・・・・・私幸せだな~って」
皆が、皆が私なんかのために。
そう思ったら、自然に涙が。
頭領も、葉子さんも太郎さんもクロさんも、沙羅ちゃんも、朱桜ちゃんも酒呑童子様も・・・・・・
「ありがとう・・・・・・ございます」
皆が笑った。姫様は、ただただ嬉しかった。
「沙羅ちゃん」
外に出るとかっぱの子が。どうやら遊びに・・・
「風邪大丈夫ですか?」
「あれ、どうして・・・」
「頭領様が手紙をくれました」
どうやらお見舞いに来てくれたよう。
姫様、頭領のほうを見る。頭領、天を向いたまま。
「雪~」
「雪~」
「雪だ~!」
はしゃぐ妖達。太郎が一番はしゃいでいて。
「犬だな」
「犬ね」
「なんか言ったか?」
「なんにも」
「そう?」
「姫様、寒くないですか?」
「大丈夫です」
「あんまり外にいると・・・」
「もう少し、外にいさせて下さい」
舞い落ちる雪、手のひらにのせる。
すぐにとけて水になる。
「ねえ、葉子さん、沙羅ちゃん」
「なんです?」
「朱桜ちゃんと一緒に、この雪見たかったな」
「・・・・・・」
「小さくて色白で・・・白い色が好きだって・・・」
「・・・・・・」
「朱桜ちゃん、雪を見たことがないって言ってました・・・きっと喜んでくれたと思います」
「きた!!!」
頭領が大きな声をあげた。
空に光。
段々、近づいてくる。
「なんだよ、あれ・・・」
「おかしいの・・・・・・あの馬鹿!みんな、伏せろ!」
衝撃。轟音。
辺り一面に煙が立ちこめた。
「なに・・・見えない・・・こほこほ・・・」
煙に映る人影。
姫様の前に立っていた。
あれ、誰だろう・・・葉子さんにしては小さい・・・沙羅ちゃん?・・・いえ、もっと小さい・・・
「彩花さま!」
「・・・・・・朱桜ちゃん?」
あれ、寝ぼけてるのかな・・・頬をつねって・・・
「夢・・・じゃない」
「わたし・・・わたしお見舞いに来ました」
「そう・・・・・・朱桜ちゃん、ありがとう」
嬉しそうに姫様が笑った。
「はい」
朱桜も嬉しそうに。
「八霊~」
「酒呑童子・・・お前何でここまで来た・・・」
「一番早い奴~」
「わざわざ星を使いおって、お前あほか・・・酒呑?」
「目が~目が回る~うわ~い」
「うわ!酒臭!」
「酒呑童子様・・・」
「七日七晩の宴のあとですから」
「?」
「私のために鬼の皆さんが宴をしてくれてるんです」
「そうなんですか」
「あの、彩花さま。この白いものなんです?」
「これが・・・これが雪ですよ」
「これが・・・・・・雪・・・」
「ええ」
朱桜、ひらひらと舞う雪に手をのばす。
「あれ?彩花さま、水になります!」
「ふふ・・・」
「頭領、朱桜ちゃん呼んでくれてたんだ」
「よ、良かったですね」
「・・・でも・・・・」
「でも?」
朱桜の横でふらふら揺れている姫様。
そのままぱたんと倒れてしまった。
「いわんこっちゃない!」
「彩花さま!」
「彩花ちゃん!」
「姫様!」
「姫さん!」
「彩花!」
「すみません・・・・・・」
「姫様、また風邪ぶりかえして」
「彩花さま、大丈夫ですか」
「うん」
「お・お・お・お・お花畑が~」
「父さま・・・・・・」
「大丈夫じゃよ。ちょっと飲み過ぎなだけじゃから」
姫様は、布団の中。酒呑童子は壁にもたれている、だけ。
「朱桜ちゃん・・・いつまでここに?」
ちらっと酒呑童子のほうを見る。
「・・・父さま次第です」
「そうですね。私、風邪早く治さないと」
「そうそう、早く治すんですよ」
「はい・・・」
「あ、あれ、彩花ちゃん・・・泣いてる?」
ごしごしと、姫様目をこする。
酒呑童子を除いて、皆姫様のほうを見る。
「私・・・・・・私幸せだな~って」
皆が、皆が私なんかのために。
そう思ったら、自然に涙が。
頭領も、葉子さんも太郎さんもクロさんも、沙羅ちゃんも、朱桜ちゃんも酒呑童子様も・・・・・・
「ありがとう・・・・・・ございます」
皆が笑った。姫様は、ただただ嬉しかった。