小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

姉妹、喧嘩(5)

 がしっと少女が巨大な赤毛の馬の首に抱きついた

赤兎「えーっと・・・呂布様だよね?」
黒捷「貂蝉さん、高順さん、大丈夫!」
 
 馬が喋るのもこのさい気にしない
 全然、小さなことだ

呂布「せ・・・赤兎!!!」
 
 赤兎が赤から青に変わっている

赤兎「ギブギブ!!!呂布様ギブ!!!」
呂布「う、うむ・・・」
 
 呂布が、馬を放す
 危うく、死ぬところだった
 超・呂布はせきこむ赤兎をケラケラと笑う
 そして、呂布からす-っと出ていった

呂布「あれ・・・私は・・・」
 
 呂布の姿は元に戻った
 武神は去ったのだ
 いつもの、呂布さんである

呂布貂蝉姉様!どうしたの!高順も!エグ、エグエグ」
 
 少女は二人の格好を見てまた泣き出してしまった
 二人とも、ぼろぼろである

貂蝉「覚えて・・・ないの?」
高順「覚えてないんですよ呂布殿」
貂蝉「そうなんだ・・・呂布さま、私達を医務室に運んでくれませんか」
呂布「は、はい」
貂蝉「ふう・・・疲れた・・・」
 
 そう言うと、貂蝉ぱたりと倒れてしまう
 慌てる呂布さん
 高順が貂蝉に這って近づき、

高順「大丈夫、気を失っているだけです」
 
 と言い、こちらも気を失った
 呂布さん、また大泣き
 泣きながら、呂布は二人を赤兎と黒捷にのせて、城にこっそり戻った
 どうしたんですか!と驚く陳宮に、ちょっとあとを頼むねというと、医務室に引っ込んでしまった