小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

劉備、合流

「やっほー。夏侯惇どん」

劉備か……どういうつもりだ?」

「やだなあ~。そんなの、おいらが言わなくても分かると思うけど?」

曹操につくってことか?」

「そういうこと。えっへん、感謝してほしいね!」

「ああ、感謝する。おかげで、命が助かったわけで」

 夏侯惇の苦虫を噛み潰すかのような顔。どうみても、感謝していない

 関羽が、ぎろりと夏侯惇を睨んだ

 ああ? と、夏侯惇も睨み返す

 どちらも、一歩も退かない

陳到お姉さん、すっごい睨んでます、睨まれてます」

趙雲……気にするな……殿……?」

「……そんなに怖い顔しないでさあ。関さん関さん、駄目だよ。これからは味方なんだから」

夏侯惇殿……お気をお鎮め下され」

「長兄がそう言うなら……」

「李典……ふん!」

「さ、早く夏侯惇どんの陣地にいこう? 守りは堅いんでしょう?」

「まあ、小沛よりはましか。行くぞ!」

「おいら達も遅れないようにねえ~!」

 馬を、歩を飛ばす。劉備軍と、夏侯惇

 ばらばらと、高順の軍に追い散らされた夏侯惇の軍勢が合流していく

 陣地

 その前で、両軍は止まった

 誰もが、息を呑んだ

 天を突くかのような、真っ赤な火柱

 夏侯惇が造った陣地が燃えていた

 風が、変わった