小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

武神、来訪

~刻は、高順出陣前に遡る~

高順「御意!(`・ω・´)ノ」

高順「それでは、行って参ります!(`・ω・´)ゞ」

呂布「まってー!(`・ω・´)三つ)Д`)ノ<AU-!」

高順「痛いっす……(´・ω・`)」

呂布「あ、高順ご免ねご免ね(´;ω;`)」

陳宮「話は、まだ終わっていないの!(`Д´)ノ」

高順「あ、そうなの?」

呂布「そうそう、入ってきて~(人*´∀`)<ポンポン」

臧覇「ちーっす('ー`)ノ」

高順「臧覇……? 臧覇も出るのですか?」

呂布「出るのは、私!(`・ω・´)ノ 臧覇もだけどね」

高順「? しかし呂布殿だと駄目だとさっき……」

陳宮呂布様とその麾下の兵千。もし劉備曹操についたときの保険とします」

高順「むむ?」

臧覇呂布さまが伏兵になるってことだな。俺が上手く伏せさせる。あの辺の地理は知り尽くしてるからな。千なら、見事に隠してみせるぜ('ー`)」

高順「ほー」

呂布「というわけなの。もし、劉備さんが曹操さんについたら、高順は一旦軍を止めて」

高順「はあ」

呂布「私が、突っ込む。そこを、ね。細かい部分は戦の場で臧覇に伝えてもらうから(*^_^*)」

臧覇「俺は馬の扱い苦手だからよ。主と一緒に暴れられねえ(-.-;)」

高順「おおよそは、分かりました^^」

呂布「じゃあ、これで会議は終わり!(`・ω・´)ノ」

一同「「「は!」」」

呂布「みんな……無茶しないでね(´・ω・`)」

一同((( その言葉そっくりそのまま呂布(殿・さま・様)にお返ししたい( ̄□ ̄;) )))

呂布「あ、忘れてた。私が出る事はぜ~~~ったいに秘密だからね」

一同「「「は~い」」」

 

 陣のあちこちに麾下の兵が火をつけて廻っている

 守兵は、皆殺しにした

 呂布は、赤兎の上で静かに目をつぶっていた

 火をつけ終わった麾下の兵が、少しずつ呂布の周りに集まってくる

 漆黒に統一された鎧と武器

 燃えさかる炎に紅く照らされている

 呂布は、しばし昔のことを思い出していた



丁原「賊が出たか!」

伝令「は! およそ五百でございます!」

呂布丁原様! 私が行きます!」

丁原呂布よ、待て! あれで全てとは限らんぞ!」

呂布「や~~~!!!」

丁原「いっちゃった……呂布よ、逸り過ぎじゃぞ……」

丁原部下「丁原さま……後ろ……」

丁原「! ……まずいのお……」

賊頭A「は! 丁原さんよお!」

賊頭B「邪魔なんだよ、あんたは!」

賊頭C「ちょっくら、俺達同盟組んでみたぜえええ!!!」

賊頭A・B・C「「「死ねやあああああ!!!!!!」」」

丁原「うぬうう!!!(見たところ、六千か……こちらは、千に満たぬのに……」

丁原「迎えうつ準備を!」

丁原部下「ひい! 逃げろお!!!」

丁原部下「「「ひゃあああ!!!」」」

丁原「……終わった、か……いくらなんでもこの数は……」

 丁原は、静かに呂布を見た

呂布「あれは……味方! どうしたの!?」

丁原部下「ぞ、賊が大量に!」

呂布「そんな……私が囮に気をとられている間に……丁原さまああ!!!」



賊「「「うおおおおおお!!!」」」

??「あ――――――!!!――――――!!!――――――!!!」

賊頭A「あ?」

 土煙が、おこった

 何かが、飛んできた

 丁原に殺到した賊が、肉片とかした

丁原「これは……呂布、か? 呂布、儂は良いからお主だけでも逃げ……」

??「……」

 覚悟を決め目を瞑っていた丁原

 何が起こったのか分からなかった

 馬に乗る少女。戦場には不釣り合いな姿

 しかし、それは丁原の知る少女の姿ではなかった

丁原「おぬしは………?」

??「けら………ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ」

 少女は、けたたましく笑い声をあげた

賊頭A「なんでえ、なんで笑ってやがる?」

賊頭B「たった二人じゃねえか! 殺せ!」

賊頭C「あれ、呂布だよなあ?」

賊頭B「おお……女の子だから、呂布だろう……」

賊頭A「でも、呂布ってドレッドヘアーだったけ?」

??「ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ…………ワ、我は一人」

賊「「「くたばれやああ!!!」

呂布呂布、ナリ」

 それは、一方的な虐殺

 それは、武神の産声、龍の目覚め

 并州の賊は、その日、ほとんどが殺された

丁原「呂、呂布……」

呂布「ケラケラケ、ラ?……アトは、オ、お前だけ。お、オマエモ、死ね」

丁原「!」

呂布「あ……」

 丁原の首すれすれで、呂布の血塗られた槍は止まった

呂布「私、何を? 何を? え、……」

 呂布の、槍を持つ手が震えた

 自分が、何をしたのか、何をしようとしていたのか分からなかった

丁原「……」

呂布丁原さま……わたし、わたし……」

 いや、分かる

 一つだけ、はっきりと分かる。自分の主を手にかけようとしていたのだ

呂布「ちが……わた……丁……わたしは……」

丁原呂布

呂布「ごめんなさい……ちがう……わたし……ひっく」

 呂布さんの瞳から、あとからあとから涙がぽろぽろ

丁原「……おぬしのおかげで、助かった」

呂布丁原さま……」

丁原「今日は疲れたであろう? お主の母さまのところに帰りなさい」

呂布「わたし! 私は、ひっく!」

丁原「おぬしは、儂の命の恩人じゃよ」

呂布「……帰れってことは、私はもう、いらない?」

 もう、母さまのお薬代、手に入れられない?

 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんさい……

丁原「いや、まだまだおぬしは儂に必要じゃ。儂には過ぎた宝じゃよ。いつものように報償は薬かの?」

呂布「こくこく、ひっく!」

丁原「ふむ……さ、早く行きなさい。そうそう、一度身体を清めてからじゃ。血の臭いは、病に悪かろう」

呂布「わかりました……あの……」

丁原「あとで、儂もお主の家へ行こうか。たまには、儂が馳走を振る舞ってみよう。これで、結構上手なんじゃよ。なに、おぬしは儂の命の恩人じゃからの。気に、するな」

呂布「……はい!」

丁原「さてと……ひどい有様じゃのう……」

 家に帰ると、母さまはなにも言わずに私を抱きしめてくれた

 長くて、短かった

 母さまの、温もり

 懐かしい、よぅ

 
 
 私の中に眠る龍。あのとき、宿ったもう一人の、私

 起きて……

 ヨイノカ?

 うん……

 アバレテ、ヨイノカ?

 うん……でも、味方を傷つけちゃ、駄目

 ワレニ、サシズヲ?

 うん!

 オ、オモシロイナ モウヒトリノ、龍ヨ……

 承知、シタ……