小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

夜の灯り

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 夜、庭に出るのが好きだった。

 昼とは違う表情を見せてくれる。

 風が、随分と冷たくなった。

 秋が、近づいてきている。

 夏が、過ぎていく。

 いつもの縁側ではなく、庭の苔の生えた岩に腰を下ろす。

 目をつぶり、虫の奏でる音に耳を澄ます。

 やっぱり、秋が近づいている。

 夜にまどろむ姫様。

 夏が去るのを惜しむかのように、そこに静かに座っていた――