動物園、之参
朱桜「じゃんじゃじゃーん! 実は、親子さんなのです!」
白月「なるほどのー」
光「よかったじゃねえか。あ、親父いるんだな」
朱桜「お母さん、いるんだね」
白月「両親がいるんじゃのー。隠れてるのは、姉妹兄弟か……」
光、朱桜、白月「「「……」」」
太郎「……なんだぁ、あいつら、立ち止まって。で、こいつは、見たまんまだな。虎だ、虎。俺も、こいつの仲間とは喧嘩したもんでなー。白虎やら水虎やら。そういや、数が少なくなってるそうだ。嫌な話しだよな、喧嘩仲間が減るってことは。うん、そういや、俺の……なんでも、ない。しかし、場所が悪いな。確か、鳥親子の隣にいたはずだぜ」
姫様「餌、ですかね」
太郎「……そう言われると、あの鳥が美味そうに」
姫様「食べちゃ駄目ですよ」
太郎「はーい」
鈴「……にゃ、にゃーん!」
朱桜「彩花さまと太郎さんだ……あ、鈴ちゃん、虎さんに惚れそうって……」
白月「ぬう、また虎じゃな。確か、この近くにはライオンがいて、雌ライオンをぱしゃりとカメラに収めたはずなのじゃが……」
朱桜「どうも、消してしまったようですよ。動物園といえば、ライオン! なのに」
白月「本当にのう、馬鹿丸出しじゃ。しかも、苦労して撮ったやつではないか。む、光、どうした?」
朱桜「どうしたの、光君?」
光「……かみなりさまって、虎柄着てるよね……」
朱桜「……」
白月「……」
桐壺「はいはいはーい」
光「お袋!」
桐壺「勘違いしてるようだけど、私達が着てるのは、虎柄であって、虎皮じゃないからね。実は、これちょっとした珍宝なのさ。滅多に手に入らないもんなんだよ」
鈴鹿御前「私はいっぱい持ってるけどね」
桐壺「……」
鈴鹿御前「俊宗に買って貰ったんだぞ! さすが俊宗!」
桐壺「……o(゜□゜o)<ハイハイ、ヨウゴザンシタネ」
光「お、お袋!」
白月「お袋様!」
白月「これは兎じゃのう。ちょこんと顔を出しておる!」
太郎「……(゚¬゚)<ジュルリ」
姫様「殴りますよ」
太郎「……(¬゜)<ゴメンヨー」
白月「ああいうのを、尻に敷かれるというんじゃな」
光「だな」
朱桜「太郎さん、彩花さまを育てた妖の一人なのにね」
光「レッサー」
朱桜「パンダー!」
白月「フウタか!? フウタなのか!?」
朱桜「違いますよー。でも、壁にもたれながら二足歩行してましたよ」
白月「パ!」
光「ン!」
朱桜「ダー!」
光「パンダ、日本語だと大熊猫か」
白月「鈴も大きくなるとこうなるのかのー」
鈴「にゃーん!!」
白月「?」
朱桜「えっと、ならないそうですよ」
鈴「にゃんにゃん!」
朱桜「このパンダさん、背中しか見せてくれないそうです。理由は不明。疲れてるのかな?」
白月「皆に見られて、大変じゃからのう。さてと、上野動物園というとパンダを思い浮かべる人もいるかもしれんが、ここよりも白浜のほうが多いのう」
光「み、見ろよ! あの赤ちゃん、パンダ持ってる!」
白月「お、おお!」
朱桜「そ、そんな! ……ああ、人形ですよ、人形、ぬいぐるみ」
白月「むう、本物に見える……」
あ、これ、実話です。続く!