小説置き場2

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THE DARK KNIGHT RISES

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乗りに乗ってるノーラン監督のバットマンシリーズもこの作品でついに完結。
 
ヒース版ジョーカーという映画史に残る希有な悪役を生みだし、同時に失ったシリーズの終着点は、実に見事なものだった。
 
ライズで描かれるのは、一度は役目を終えてしまった者達の再生の物語である。
 
 
 
あの忌々しいダークナイトから八年後。
 
バットマン=ウェインは、平和になると同時に愛する人のいなくなったゴッサムシティに背を向けていた。
 
ゴードン本部長は、デント法成立のため、バットマンに罪を追わせたことに苛まれながら、仕事に没頭していた。
 
どちらも、英雄としての役割を終えようとしている。
 
いや、終えていた。
 
そんな彼らに絡む熱血警官ブレイク、女泥棒キャットウーマン、ラーズオブグールの継承者。
 
正義を追い求めるブレイク。
 
過去を消そうとするキャットウーマン
 
ゴッサムシティに終焉をもたらそうとするベイン。 
 
バットマンはもう一度スーツを纏い、同門ともいえるベインに破れ、己の弱さを自覚する。
 
もう、若くはないのだ。
 
各々の役割、そして心身の再生。
 
バットマンは消え、アルフレッドがある光景を見る事でこのシリーズは完結する。
 
夢か現か、わからない。
 
けれど、それはとても大事な――アルフレッドが求めてやまなかった――英雄の終焉であった。
 
 
 
 
 
相変わらず小気味の良いアクションシーン。
 
この映画では、実に痛そうなアクションシーンが目白押しである。
 
一撃必殺、ヘビー級のガチンコである。
 
かと思えば、キャットウーマンの舞のようなアクションシーン。
 
足技主体のスタイルは、ボクシング主体のバットマンと良い対比である。
 
重要なのは、この映画、アクションシーンがどんどん繋がっていくことである。
 
二転三転とする脚本は、動く事によって語られていく。
 
冒頭、空中でのベイン登場シーンから、その終幕まで、息を継がせぬ怒濤の展開である。
 
よく考えれば話の流れは読めるはずなのに、先を読もうとさせてくれないのである。
 
この映画は、よく出来ている。
 
練りに練られた――逸品である。
 
三時間という長丁場が、全く気にならない。
 
超大作であるのに、隙を見せない。
 
アクション映画として、ヒーロー映画として、傑作である。