京都・熊野の春の旅(2)
ガッカリロードな哲学の道を越え、目指すは一路、あのお寺である。
今回の旅路、京都はおかんとうろうろしてます。妹君は絶賛お仕事。あちゃー。おかんは京都に住んでたこともあるので詳し……観光地には興味ない、そうですか、そうですね。
俺も鎌倉や横浜に何度行ったことか……あ、一応東京人だった。
妹君も、神社やお寺は行きたがらないんよねー。何かいそうで嫌なんだそうな。昔からその気はあったな。もしかして中二病?
いやいや。
おかんも、何かあるんだって。そりゃ初耳。普段は気にしないようにって……お、おお。祖母ちゃんもあるって聞いたことあるな。
俺は……基本ないかな。おとんは知らん。えっと、たまに部屋の暗闇が怖いときあるけど、みんなよくあることだよね。
八坂神社から哲学の道へは市内バス。途中で車庫に入るということで、乗り換えたんですが……お金いらないから、降りろと。
乗客ぽかーん、こっちもぽかーん。あっれー、このバス、銀閣寺まで行くんとちゃいますの?
すぐ次のバス来るから、降りて降りて――十分後にバス到着。目的地は次の次だっけな。距離近かったし、歩いたらタダだったのか。
正直者だし、道わかんないし。
銀閣寺ー。
最初、わかんなかったという。脳内じゃ、三階建てやったんよね。向月台という砂山に目を奪われてました。
こういう砂の庭、好き。ずっと見ていたいけど、そこは観光地、騒々しいし、人多いし。
こういう場所で、人の流れを阻害したくない。自分がされるとイラッとするもの。だから、観光地で時間をかけて写真を撮られるのは嫌い。
似たような話で、次に行った場所でイラッとしたのが、写真撮るからどけと声を荒げてたおっちゃん。気持ちはわかるが、声に出してはいけないと思う。荒げるなんてもってのほかじゃなかろうか。ここはおっちゃんの場所じゃないですよー。
せっかくなので、ど真ん中を歩いてみた。
どの年代でも変な人はいるもんやね。最近、接触多いな。
……最初気づかなかったけど、一応銀閣寺。燻し銀、渋め、落ち着き。豪華絢爛もいいけどねー。
そうそう、こういう壮大さ――ここが、伏見稲荷。全国津々浦々にある、お稲荷様の総本山。
以前も行ったけど、こんなに大きかったっけと一驚き。
そういえば、うちの祖母ちゃん、狐に昔騙されたことがあるそうな。
いつまで経っても家に着かないことがあったんだって。
狐の悪戯かなと思ったら、家に着いたそうな。
ふぅん。
ちなみに、伏見稲荷の前に京都駅のデパ地下で晩飯買いました。
バスを使ったのですが、まぁ大変。
待ち人が多すぎて、ほとんど乗れない!
大変やなーとバス停の減らない行列を見てました。
銀閣寺で座れたので他人事。
ラッキーである。
到着地まで一時間半。
意気は20分だったぞ!?
アンラッキー。
まぁ、妖狐とお稲荷様はちょっと違うけど。