小説-あやかし姫-第一話
ちょっと飽きてきたんで違う話でも書いてみるです。
決して詰まったのではない、そう、多分・・・
んじゃあ、あやかし姫始まり始まり・・・・・・
昔々、人と妖怪が混じりあって生きていた時代・・・・・・
とある山に人の子が捨てられていました・・・・・・
山の主は憐れに思い、その子を山の民で育てることにしたのです・・・・・・
「ねぇねぇ、遊ぼうよ~」
「そうだぜ、じぃ書くのなんてあとでできるよ~」
山にそびえる寺が一つ。古びた寺から聞こえる声。ここが物語の舞台となる場所。
「ちょっと、失敗したじゃないの! もう、お札を書いてるときは話しかけないっていってるでしょう!」
部屋に二人。少女と御老人。二人は畳に正座し、机の上でなにやら書き写していた。
「こんなに晴れてるんですよ。部屋でこもっていないで何かしましょうよ」
「そうそう」
部屋に面する庭に二頭。狼と狐。ちょこんと座って、二頭で話しかけている。
「いいじゃないですかお札なんてあとで。ねぇ、頭領?」
「葉子さん!」
「葉子の言うとおりだぜ。お札なんてほっぽりだしてだな」
「太郎さんも…」
「じゃあもうやめにするか」
「って頭領!?」
「これじゃあ仕事にならんだろう。こううるさくちゃあねぇ」
「はあ……」
「というわけで遊びにいってきな、彩花」
そそくさと出ていこうとする御老人。その背に一言。
「頭領、さぼりたかっただけでしょ」
「……そんなことないぞ、うん。ないない。ほら、日光浴って大事だよ、うん」
じー、と見つめるその先に、慌てる老人ただ一人。どうやら図星のようである。
「ねぇねぇ太郎」
小声で囁く銀狐。その毛色はきらびやかな銀一色。
「この山で一番偉いのって……」
答える狼。怪しく光る金銀妖瞳。
「彩花ちゃん、かな……」
うなづく両者。
「うちらのお姫様だしね~」
「で、何するんですか?」
まだあどけなさの残る少女。山に捨てられ、妖に拾われ。大事に大事に育てられてきた。もう少したてば立派な美人になるであろう。それは山の民の一致するところ。
「……え?」
「もしかして考えてなかったとか?」
あは、と笑う二頭の妖。
この人達は……。頭をかかえる姫一人。
「それで、結局どうしたんですかい?」
夜。宴。今日はにぎやかだった。
「村に下りてお札を配って、食料を買っておしまい」
「それって……遊んだっていうんですか?」
「違うよね~クロちゃん」
口を挟む銀狐。顔に朱がさしている。
「葉子さんと太郎さんが何も考えてなかったからでしょう」
「まま、いいじゃないか。おかげで酒が飲めることだし」
頭領の声に、そうそう、と部屋の中に響き渡る賛成の声。
大小五十以上の妖怪が、くんずほぐれての大騒ぎ。
「しかしこの惨状。明日はどうなっていることやら……」
「私は知りませんからね」
一人黙々と箸をすすめる彩花。酒など飲める年ではない。
「ごちそうさまです」
手と手をあわしておじぎをする。顔をあげると阿鼻叫喚。皆思い思いにぶっ倒れていた。最後まで正気を保っていたクロちゃんと呼ばれた若い男も頭領も、いびきをかいて爆睡中。こぼした酒は赤なめが、なめきってくれたのが唯一の救い。
てきぱきと、食器も樽もかたづける。慣れた手つき。そして、大小様々な布をもってきた。
「風邪、引きますよ」
そういって、皆にかけていく。小さいのにも大きいのにも。
かけ終わると一言、
「おやすみなさい」
こうして、あやかし姫の一日が終わった。
決して詰まったのではない、そう、多分・・・
んじゃあ、あやかし姫始まり始まり・・・・・・
昔々、人と妖怪が混じりあって生きていた時代・・・・・・
とある山に人の子が捨てられていました・・・・・・
山の主は憐れに思い、その子を山の民で育てることにしたのです・・・・・・
「ねぇねぇ、遊ぼうよ~」
「そうだぜ、じぃ書くのなんてあとでできるよ~」
山にそびえる寺が一つ。古びた寺から聞こえる声。ここが物語の舞台となる場所。
「ちょっと、失敗したじゃないの! もう、お札を書いてるときは話しかけないっていってるでしょう!」
部屋に二人。少女と御老人。二人は畳に正座し、机の上でなにやら書き写していた。
「こんなに晴れてるんですよ。部屋でこもっていないで何かしましょうよ」
「そうそう」
部屋に面する庭に二頭。狼と狐。ちょこんと座って、二頭で話しかけている。
「いいじゃないですかお札なんてあとで。ねぇ、頭領?」
「葉子さん!」
「葉子の言うとおりだぜ。お札なんてほっぽりだしてだな」
「太郎さんも…」
「じゃあもうやめにするか」
「って頭領!?」
「これじゃあ仕事にならんだろう。こううるさくちゃあねぇ」
「はあ……」
「というわけで遊びにいってきな、彩花」
そそくさと出ていこうとする御老人。その背に一言。
「頭領、さぼりたかっただけでしょ」
「……そんなことないぞ、うん。ないない。ほら、日光浴って大事だよ、うん」
じー、と見つめるその先に、慌てる老人ただ一人。どうやら図星のようである。
「ねぇねぇ太郎」
小声で囁く銀狐。その毛色はきらびやかな銀一色。
「この山で一番偉いのって……」
答える狼。怪しく光る金銀妖瞳。
「彩花ちゃん、かな……」
うなづく両者。
「うちらのお姫様だしね~」
「で、何するんですか?」
まだあどけなさの残る少女。山に捨てられ、妖に拾われ。大事に大事に育てられてきた。もう少したてば立派な美人になるであろう。それは山の民の一致するところ。
「……え?」
「もしかして考えてなかったとか?」
あは、と笑う二頭の妖。
この人達は……。頭をかかえる姫一人。
「それで、結局どうしたんですかい?」
夜。宴。今日はにぎやかだった。
「村に下りてお札を配って、食料を買っておしまい」
「それって……遊んだっていうんですか?」
「違うよね~クロちゃん」
口を挟む銀狐。顔に朱がさしている。
「葉子さんと太郎さんが何も考えてなかったからでしょう」
「まま、いいじゃないか。おかげで酒が飲めることだし」
頭領の声に、そうそう、と部屋の中に響き渡る賛成の声。
大小五十以上の妖怪が、くんずほぐれての大騒ぎ。
「しかしこの惨状。明日はどうなっていることやら……」
「私は知りませんからね」
一人黙々と箸をすすめる彩花。酒など飲める年ではない。
「ごちそうさまです」
手と手をあわしておじぎをする。顔をあげると阿鼻叫喚。皆思い思いにぶっ倒れていた。最後まで正気を保っていたクロちゃんと呼ばれた若い男も頭領も、いびきをかいて爆睡中。こぼした酒は赤なめが、なめきってくれたのが唯一の救い。
てきぱきと、食器も樽もかたづける。慣れた手つき。そして、大小様々な布をもってきた。
「風邪、引きますよ」
そういって、皆にかけていく。小さいのにも大きいのにも。
かけ終わると一言、
「おやすみなさい」
こうして、あやかし姫の一日が終わった。