小説-あやかし姫-第十話~葉子と頭領~5
「葉子さん」
「木助、葉美」
出口で二人が待っていた。
「どうでしたかお姉様、久しぶりに玉藻様と会われて」
「お変わりない様子で安心したよ」
「世間話でもなさっていたのですか?ずいぶんと長かったような」
「ええ。木助が玉藻様の跡取りになるかもしれないんだろ?」
「そうですわ」
「といっても、決まったことじゃないんですけどね」
「何を言ってるんです木助さん。貴方以外にだれがいるというんですの」
そして葉子の方を向く。
「ねえ、お姉様」
「木助なら十分その資格はあるよ」
周りの目をはばかって控えめに。
「他にはいません」
それが葉美の答え。人目をはばかる気はない様子。
「そうだね」
葉子はそう答えるしかなかった。八霊は帰りたくなった。
「さて、これで終わりか」
「はい」
二人は見送りに来てくれた。葉子と頭領を見送ってくれた。一応葉美も悲しそうな顔をしていた。
「太郎達はうまくやってくれてるかね」
「大丈夫だと思いますよ・・・・・・」
「どうした」
「いえ、なにも」
「大変だったな」
「・・・・・・ええ」
「しばらく彩花の世話、休んでもいいぞ」
「いえ、いつも通りでいいです」
「そうか」
「・・・・・・葉美と元通りになる日はくるでしょうか」
「きっとくるさ」
頭領の言葉は葉子の胸にしみた。
帰り、頭領はゆっくりと鬼馬を走らせた。
月に照らされゆらめく二人。
頭領の後ろに座っている葉子は、頭領の背中で泣いていた。
「木助、葉美」
出口で二人が待っていた。
「どうでしたかお姉様、久しぶりに玉藻様と会われて」
「お変わりない様子で安心したよ」
「世間話でもなさっていたのですか?ずいぶんと長かったような」
「ええ。木助が玉藻様の跡取りになるかもしれないんだろ?」
「そうですわ」
「といっても、決まったことじゃないんですけどね」
「何を言ってるんです木助さん。貴方以外にだれがいるというんですの」
そして葉子の方を向く。
「ねえ、お姉様」
「木助なら十分その資格はあるよ」
周りの目をはばかって控えめに。
「他にはいません」
それが葉美の答え。人目をはばかる気はない様子。
「そうだね」
葉子はそう答えるしかなかった。八霊は帰りたくなった。
「さて、これで終わりか」
「はい」
二人は見送りに来てくれた。葉子と頭領を見送ってくれた。一応葉美も悲しそうな顔をしていた。
「太郎達はうまくやってくれてるかね」
「大丈夫だと思いますよ・・・・・・」
「どうした」
「いえ、なにも」
「大変だったな」
「・・・・・・ええ」
「しばらく彩花の世話、休んでもいいぞ」
「いえ、いつも通りでいいです」
「そうか」
「・・・・・・葉美と元通りになる日はくるでしょうか」
「きっとくるさ」
頭領の言葉は葉子の胸にしみた。
帰り、頭領はゆっくりと鬼馬を走らせた。
月に照らされゆらめく二人。
頭領の後ろに座っている葉子は、頭領の背中で泣いていた。