あやかし姫~鬼姫、暴走(3)~
「なんだこれは……」
転々と散らばり倒れ伏し、泡を吹いている鬼達。
大獄丸が、あぜんとしていた。
「ど、どうしたら……ムギュ!」
大獄丸をよびに来た鬼も気絶した。
鈴鹿御前の妖気にあてられたのだ。
大獄丸も、歯を食いしばり必死に耐えていた。
「鈴鹿……え、誰?」
少女が、大獄丸の後ろにぴとっと隠れた。
鬼姫が近づいてくる。
鈴鹿御前はその長い髪を逆立てていた。
「どうしたの? 逃げないの? ほらほら」
鈴鹿御前が少女を嘲る。
ぐいっと大獄丸が一歩踏み出す。
「鈴鹿! 落ち着け!」
「これが……落ち着いていられるかあ!!!!!!」
うわあ……怒ってる、鈴鹿怒ってる。
こんだけ怒るってことは……多分俊宗関連、だよなあ。
あいつが鈴鹿以外の女……つまりこの少女を城に連れて……来たのか?
そんなこと、絶対ないぞ。
でも……?
あれ、なんで俺のすぐ目の前に鈴鹿が?
どうして拳を握っているのですか?
あのー、鈴鹿さん?
もしもーし?
大獄丸の巨体が、宙を舞った。
鈍い音を立てて地面に叩きつけられた。
煙が、たつ。
鈴鹿が手をあげると、風が起きた。
煙がかき消された。
少女は、大獄丸の傍に心配そうに座っていた。
ぺろっと、大獄丸の頬を舐めた。
べこっと、音がした。
びくっと少女が一震いする。
おそるおそる鈴鹿御前を見た。
鬼姫は地面に降り立っていた。
床に、己の足をめり込ませていた。
「あんた……俊宗だけでなく兄上にも色目を使うのかい?」
ぶんぶん少女が首をふる。
鈴鹿は、それを無視して続ける。
自分が大獄丸を吹っ飛ばしたのも当然無視。
「いいよ……もう少し遊んでやろうと思っていたけどもういいよ。死んじゃえ」
「にゃあー!!!」
「にゃあにゃあうるさいんだよ!!!さっきからそう言ってるだろう!!!」
「彩花さま、すごい音が……」
「……朱桜ちゃん、私ちょっと見てくるね」
やっと、姫様も何かおかしいと気づいたよう。
「じゃあ、私も」
「でも」
「一緒に、行きます!」
「……私の後ろにね。絶対だよ?」
「はい」
転々と散らばり倒れ伏し、泡を吹いている鬼達。
大獄丸が、あぜんとしていた。
「ど、どうしたら……ムギュ!」
大獄丸をよびに来た鬼も気絶した。
鈴鹿御前の妖気にあてられたのだ。
大獄丸も、歯を食いしばり必死に耐えていた。
「鈴鹿……え、誰?」
少女が、大獄丸の後ろにぴとっと隠れた。
鬼姫が近づいてくる。
鈴鹿御前はその長い髪を逆立てていた。
「どうしたの? 逃げないの? ほらほら」
鈴鹿御前が少女を嘲る。
ぐいっと大獄丸が一歩踏み出す。
「鈴鹿! 落ち着け!」
「これが……落ち着いていられるかあ!!!!!!」
うわあ……怒ってる、鈴鹿怒ってる。
こんだけ怒るってことは……多分俊宗関連、だよなあ。
あいつが鈴鹿以外の女……つまりこの少女を城に連れて……来たのか?
そんなこと、絶対ないぞ。
でも……?
あれ、なんで俺のすぐ目の前に鈴鹿が?
どうして拳を握っているのですか?
あのー、鈴鹿さん?
もしもーし?
大獄丸の巨体が、宙を舞った。
鈍い音を立てて地面に叩きつけられた。
煙が、たつ。
鈴鹿が手をあげると、風が起きた。
煙がかき消された。
少女は、大獄丸の傍に心配そうに座っていた。
ぺろっと、大獄丸の頬を舐めた。
べこっと、音がした。
びくっと少女が一震いする。
おそるおそる鈴鹿御前を見た。
鬼姫は地面に降り立っていた。
床に、己の足をめり込ませていた。
「あんた……俊宗だけでなく兄上にも色目を使うのかい?」
ぶんぶん少女が首をふる。
鈴鹿は、それを無視して続ける。
自分が大獄丸を吹っ飛ばしたのも当然無視。
「いいよ……もう少し遊んでやろうと思っていたけどもういいよ。死んじゃえ」
「にゃあー!!!」
「にゃあにゃあうるさいんだよ!!!さっきからそう言ってるだろう!!!」
「彩花さま、すごい音が……」
「……朱桜ちゃん、私ちょっと見てくるね」
やっと、姫様も何かおかしいと気づいたよう。
「じゃあ、私も」
「でも」
「一緒に、行きます!」
「……私の後ろにね。絶対だよ?」
「はい」