狼風奇譚~第4話~
「最近、暇だな」
「ああ・・・」
丘の上の家の一室。道三と白狼はいすに座ってぼんやりしていた。
「修行をつけていたほうがよかったんじゃないのか」
「ああ・・・」
「本当にそう思っているのか」
「ああ・・・」
やれやれ、そう道三が頭を振った。
不意に白狼が顔を窓に向けた。道三もつられたように顔を向けた。
火の玉が、二人のもとに近づいていた。
「炎双大師、少しは考えて下さいな」
瑶が、男に説教をしている。優男風の若い男だった。周りで、道三と白狼が黙々と散らばったものを片づけていた。
「すまんすまん。少し失敗した、許せ」
「で、何の用だ」
道三が口を開く。炎双が笑った。
「なに、ちょっとした暇つぶしにな。新しい術も試したかったし」
ため息をつくと、瑶は部屋を出ていった。
「瑶殿はどこへ?」
「茶でもいれにいったんだろう」
「双刀を、とりにいったのではないか・・・」
炎双と道三の顔が、蒼くなった。
茶を飲みながら3人が話す。炎双は、白狼・道三の共通の数少ない友人であった。
「久しぶりだな」
「ああ・・・」
「姉弟は出かけているのか」
「ああ・・・」
「・・・」
「なにか、大事なことを伝えにきたのではないのですか?」
ふむ。もったいぶったように、炎双がうなずく。
「最近、魔獣が殺されている」
「ほう・・・」
「魔獣が、ですか?物好きな奴がいるもんですな」
「それも、ある程度名のある奴だ」
「初めて聞くは・・・」
そういいかけて、白狼が姿を消した。
「おい!」
「急にどうしたのだ」
門の前に白狼は立っていた。
「どうした・・・」
駆けてきた、小狼に尋ねる。
「どうした・・・」
もう一度、優しく尋ねる。
「魔獣が」
声がでてこない。
「落ち着いて話すがいい・・・」
静かな、優しい声だった。小狼は、堰を切ったように話し始めた。
「ああ・・・」
丘の上の家の一室。道三と白狼はいすに座ってぼんやりしていた。
「修行をつけていたほうがよかったんじゃないのか」
「ああ・・・」
「本当にそう思っているのか」
「ああ・・・」
やれやれ、そう道三が頭を振った。
不意に白狼が顔を窓に向けた。道三もつられたように顔を向けた。
火の玉が、二人のもとに近づいていた。
「炎双大師、少しは考えて下さいな」
瑶が、男に説教をしている。優男風の若い男だった。周りで、道三と白狼が黙々と散らばったものを片づけていた。
「すまんすまん。少し失敗した、許せ」
「で、何の用だ」
道三が口を開く。炎双が笑った。
「なに、ちょっとした暇つぶしにな。新しい術も試したかったし」
ため息をつくと、瑶は部屋を出ていった。
「瑶殿はどこへ?」
「茶でもいれにいったんだろう」
「双刀を、とりにいったのではないか・・・」
炎双と道三の顔が、蒼くなった。
茶を飲みながら3人が話す。炎双は、白狼・道三の共通の数少ない友人であった。
「久しぶりだな」
「ああ・・・」
「姉弟は出かけているのか」
「ああ・・・」
「・・・」
「なにか、大事なことを伝えにきたのではないのですか?」
ふむ。もったいぶったように、炎双がうなずく。
「最近、魔獣が殺されている」
「ほう・・・」
「魔獣が、ですか?物好きな奴がいるもんですな」
「それも、ある程度名のある奴だ」
「初めて聞くは・・・」
そういいかけて、白狼が姿を消した。
「おい!」
「急にどうしたのだ」
門の前に白狼は立っていた。
「どうした・・・」
駆けてきた、小狼に尋ねる。
「どうした・・・」
もう一度、優しく尋ねる。
「魔獣が」
声がでてこない。
「落ち着いて話すがいい・・・」
静かな、優しい声だった。小狼は、堰を切ったように話し始めた。