小説置き場2

山岳に寺社仏閣に両生類に爬虫類に妖怪に三国志にetcetc

2005-07-09から1日間の記事一覧

狼風奇譚~第3話~

間違って消してしまったので再アップ、しかしブログの調子ほんと悪いね~ イタイ、イタイ、イタイ 黒い影が木々の間を駆けていく。 イタイ、イタイ、イタイ、イタイ どす黒い液体を辺りにまき散らしながら。 オレハナゼカケテイル?ワカラナイ。ダレニヤラレ…

狼風奇譚~第7話~

まぶしい・・・ここは・・・私はどうなっているのだ・・・ 「姉さま!」 「小・・・狼?」 「よかっ・・・た」 女の人が部屋の入り口に姿をみせた。 「風華ちゃん!」 「瑶・・・殿?」 「目を覚ましたのね。今、白狼殿と道三を呼んでくるから」 瑶殿が、走…

狼風奇譚~第6話~

少女の刀が、獅子を斬る。しかし、獅子は気にとめていないようだった。 よける。斬る。よける。斬る。その、繰り返しだった。体力が、無くなってきていた。刀の光も、勢いをなくしつつあった。 「ここで、死ぬのか」 また、獅子が突進してきた。よけようとし…

狼風奇譚~第5話~

森に入って三十分ほどであろうか。何も変わったことはなかった。やはり単なる噂話、そう弟は思っているだろう。風華は、弟のほうを見ないようにしながらそのようなことを考えていた。 「姉さま」 「なんだ」 「そろそろ、帰りませんか?大師達も心配している…

狼風奇譚~第4話~

「最近、暇だな」 「ああ・・・」 丘の上の家の一室。道三と白狼はいすに座ってぼんやりしていた。 「修行をつけていたほうがよかったんじゃないのか」 「ああ・・・」 「本当にそう思っているのか」 「ああ・・・」 やれやれ、そう道三が頭を振った。 不意…

狼風奇譚~第2話~

「風華、入ります」 少女が部屋に入る。部屋には机があり、食事が用意してある。湯気を、立てていた。 机の奥に道三とは別の男がいた。20代後半であろうか。無精ひげをはやし、長髪を不作法に頭の後ろで束ねていた。どちらかというと美男子に属するであろ…