小説置き場2

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狼風奇譚~第3話~

間違って消してしまったので再アップ、しかしブログの調子ほんと悪いね~


イタイ、イタイ、イタイ

黒い影が木々の間を駆けていく。

イタイ、イタイ、イタイ、イタイ

どす黒い液体を辺りにまき散らしながら。

オレハナゼカケテイル?ワカラナイ。ダレニヤラレタ?ワカラナイ、ワカラナイ。

コレカラドウナル?

死。

シヌ?オレガ?・・・イヤダ、イヤダイヤダイヤダイヤダ・・・


「白菜と人参、それに鶏肉を少々」
 小さな市場。そこに姉弟はいた。
「・・・なぜ私がこのようなことを・・・」
「姉さま、まだ文句があるのですか?」
「ある」
「せっかく、おつかいという名の休みをもらえたのに、なにが不満なのですか・・」
 店の主人が、品物を用意する。ねむたげに二人をみながら。
 風華は、修行がしたかった。強くなりたかった。強くなって、大師の役にたちたい。いつも、そう考える。二人が大師の元に引き取られて幾数年。風華がかんがえることは、それだけだった。
「主人、最近変わったことはないか」
 小狼は、またか、そう思った。姉さまは、早く一人前になろう、なろう。そう急いている。だから、このような質問をする。そう変わったことなどないだろうに。そう・・・
「東の森に、なにかいるという噂じゃよ」
「え」
「それは、本当か!」
「朝、客がいっておった。単なるう
「いくぞ!」
 そういうが早いか、風華は東に駈けてていった。
「お金・・・」
「すいません、代金は大師に直接」
 一礼すると、姉の後を追いかける。やれやれ、顔にそう書いていた。