小説置き場2

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呂布、曹操とぶつかる(3)

 呂布と、目があった。呂布が手を挙げ、止まった。漆黒の騎馬兵達も止まった。
 少女は名残惜しそうな顔をした。
 呂布は背をむけ、かけ去っていく。
曹操「なに・・・?何が起こったのだ?」
荀彧「殿ー!」
于禁「殿!」
 聞き覚えのある声であった。荀彧、于禁の姿が見える。
 二人は今度の戦では後方支援に回していた。
曹操「そうか、お前達が・・・」
荀彧「胸騒ぎがしたので・・・于禁殿に軍を動かして頂いたのです」
于禁「殿、ご無事でなにより」
曹操「助かった・・・」

呂布「残念です・・・あと少しだったのに・・・」
 あのまま突っ込めば、曹操の首を獲る前にあの援軍に囲まれていた。
 見たところ二万。さすがに千では無理であった。
 仕方のないことである。
 魏続達の部隊が苦戦していた。
呂布「魏続達を助けます!皆ついてきて下さい!」
 漆黒の牙は、新たな獲物を求める。

夏侯惇呂布!」
呂布「あれがこの部隊の将・・・」
 感じることが出来た。明らかに質が違う。
 それを討とうとしたとき、側面に砂埃が立ちこめ始めた。
 おそらくは、高順の部隊を攻めていた騎馬隊。
呂布「あの男に構ってはいられませんね。他の部隊は・・・・・・そう、あとは魏続達だけ。私達も魏続達に合流したあと、城に戻ります!」
 戦は終焉を迎えつつあった。 

夏侯淵「惇兄!」
 夏侯惇呂布に必死に追いすがっているのが見えた。
 呂布は、赤い馬に乗って兵を蹴散らしている。
 呂布が騎馬兵達の最後尾であった。
夏侯淵呂布、背後ががら空きだ・・・」
 夏侯淵が馬を走らせながら、その神弓を引き絞った。
 放たれた矢は、狙い違わず少女の背に吸い込まれていった。

呂布「・・・・・・甘い」
夏侯淵「馬鹿な!」
 呂布は後ろを見ずに背後に迫った矢を掴んだ。
 そして、その矢を前を見ながら後ろに投げる。
夏侯惇「あ・・・・・・」
 夏侯惇の左目が最後に見たものは、呂布が投げたその矢であった。
 激痛が走り、叫び声が口より這い出た。
 夏侯淵の悲鳴が聞こえたような気がした。

曹操夏侯惇、大丈夫か?(´Д`;)」

夏侯惇「大丈夫なもんか・・・(´・ω●`)」
 夏侯惇は左目を眼帯で覆っていた。左目は、光を永遠に失った。
曹操「左目を食ったって兵達に噂が流れているぞ。父母から授かった物だからとかなんとか( ̄□ ̄;)」

夏侯惇「くだらんな。そんなことするか、する暇があるか、痛かったんだよ(´・ω●`)」

曹操「・・・・・・負けた・・・」

夏侯惇「・・・・・・」

曹操「危うく命を落としかけた。この首が飛んでいてもおかしくはなかった」

夏侯惇「だが・・・それでもお前は死んじゃいない(`・ω●´)ノ」

曹操「・・・夏侯惇(´・ω・`)」

夏侯惇「次だ、次の戦だ!次の戦で勝てばよいのだ!」

曹操「そうだな・・・次だ!そして呂布殿を我がものにするのだ!頑張るぞ~!(´∀` )ノ」

夏侯惇「こりない奴・・・(´・ω●`)」

曹操「なにか(゚Д゚)?」

夏侯惇「いんや(´・ω●`)」



陳宮「残念!(≧∀≦)ノ」

高順「惜しかったですな( ´∀`)b」

張遼「惜し~い(o≧∀≦)o」

呂布「・・・・・・残念!(*´∀`)」

陳宮「でも、曹操の首を獲ることができなかったとはいえ大勝利ですねヽ(∀`)ノ」

呂布「うん(*´ワ`)ノ」

高順「ひそひそ(呂布殿がちゃんと戦を・・・成長なされた、う、う(´;ω;`))」

貂蝉「ひそひそ(本当にびっくりです(´Д`;))」

張遼「びっくり!(; ゜Д゜)ノ」

呂布「む~(´・ω・`)」



 緒戦は戦姫の勝利に終わった。
 それからの戦は持久戦の様を示した。
 曹操が原野戦を避けたのだ。
 小競り合いが各地で続いた。
 そんなときだった、両軍を黒い影が襲ったのは。