2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「葉子さん、私、太郎さんに嫌われるような事したかな」 「はあ?」 てくてくと、歩いていく。 お日様の下、歩いていく。 影が、二つ、歩いていく。 「ずっと避けられてるような……」 「太郎、姫様の近くにいたよ?」 「いたけど……」 ちょっと、違う。 遠くか…
水が、流れていく。 水面が、光を、反射している。 妖狼太郎は、釣り竿片手に、岩の上に胡座をかいていた。 「つ、釣れませんね」 「ああ」 煩わしげに、妖狼は返事をした。 河童の仔――沙羅。 太郎の座る岩のすぐ隣。 そこに、ちょこんと座っていた。 妖狼は…
「葉子さん」 「あいあい?」 お台所。 銀狐は鼻歌かけつつ洗い物。 昼の食事の洗い物。 量は、少ない。 一人分、だからだ。 「どしたの?」 「太郎さん、見てないですか?」 「太郎?」 うーんと小首を傾けると、 「見てないよー」 っと、尾っぽを振った。 …
良い気分だった。 真っ昼間から、ほろ酔い気分。 ……見つかったらただじゃすまないが。 それでも、良い、気分。 こっそり隠れて呑むのが、また、良いのだ。 「……見つからなければ……な」 古寺の蔵の影。 庭の、逆側。 そこに、妖が四匹ほど。 中心には、頬を桃…
あやかし姫の雨のお話の解説です さすがにこれは不味かったと、ちょっと後悔;-; 一応、あやかし姫のお話の、根っこの部分に繋がる、大事なお話と思って書いたのですが…… うん、いきなりすぎでした。反省してます 石投げてもいいですよー、TOMOさん(´…
うーん、今日はかんなりあったかい日でした ……あったかいというより、暑いΣ(´Д`;) 明日もこんな感じなのだろうか…… 洗濯物乾くのはいいけどねぇ。おいら、南の方(あ、比較的です^^;)の出なんすけど、暑さに弱いので(´・ω・`) もしかして、もうクーラ…
「天の理を歪ませたお前には、わらわの力は、及ばぬのかな」 「俺は……生きて」 「嘘」 爪が、ぴくりと震えた。 「嘘じゃねぇ……」 自分の声。こんな情けない声だったか。 「死んだのだよ、お前は。あの時に、確かに、死んだのだよ」 「傷は深かったけど、死ん…
太郎は、起きていた奴がいたのかと思い、声の方を見やった。 声は、庭の方から聞こえてきた。 「……」 目の前の光景を、太郎は信じられなかった。 庭に、姫様が、いた。 妖艶な――艶めかしい笑みを浮かべる姫様が。 居間で、穏やかに少女は眠っているのに。 「…
陽が、落ちようとしていた。 赤い赤い陽の光が、差し込んでくる。 朱桜は、心配そうに姫様を見つめていた。 沙羅は、うとうと眠りかけていた。 葉子も、うとうととし、いかんいかんと顔をはたいた。 まだ、たったの四日。四日寝てないだけじゃないかと。 太…
「あの丸薬」 「丸薬がどしたの?」 「なんの薬だろう」 姫様が、首を傾げた。 「決まってんだろ。風邪の薬だろうが」 ぽかんとしている沙羅と葉子を尻目に、太郎が答えた。 太郎は、人の姿であった。 柱に、持たれている。白い大きな尾が、くるくると動いて…
「眠くないです……」 姫様、少し赤いほっぺを膨らませる。沙羅が、だ、だよねと、頷いて。 沙羅は、しばらく川に帰っていない。 姫様が倒れてから、ずっと古寺に寝泊まりしていた。 「寝るの」 「沙羅ちゃん、」 「お話しせずに、寝ーるーのー!」 「はいはい…
「久し振りに引っ張り出したけど、さっぱりさね。昔は、もうちょっと弾けたもんだけどねぇ」 銀狐が、言う。 河童の娘が、それを疑わしげに見やる。 本当だぞ! 本当に琵琶弾けたんだぞ! そう、葉子が言った。 それから…… 「姫様?」 葉子は、半分布団に入…
もうもう五月になってしまいました うーん……間に合わなかった……;-; さてと、 四月は、「あやかし姫」が20×20の原稿用紙で64枚 「愉快な呂布一家」が23枚 低調な月でありましたよ(´・ω・`) 投稿も出来ず、しょんぼりであります(´・ω・`) 五月、…